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口を離すと、杉田が目をまんまるくして、こっちを見ている。
う……
今のは…
流石にいきなりすぎたか。
「あっ…わり…つい…」
「中村ァァアアア!!」
「は!?ぅわああ!?」
杉田が凄い勢いでタックルしてきて、あまりの勢いに二人してフローリングの床に倒れる。
頭をぶつけて、ガンッと鈍い音が鳴る。
痛ぇ。
後頭部を押さえながら起き上がると、目をキラキラさせてこちらを向く杉田と目があった。
「中村……!
今のキスのタイミング最高だった…!
かっこいい…
まじで惚れた」
「…はい?」
「いやーもう死ぬかと思った。
惚れた、愛してる。
俺、中村のせいで心臓一瞬止まったからね、俺。」
「え…あぁ…そうすか…」
「うん。
今凄くいいプレゼントもらったから、浜辺でキャッキャウフフは我慢するわ!」
んーと……
言葉には出さないけど、こんな馬鹿正直に、愛してるだとか惚れただとか言うこいつを見て、なんかこう…もの凄く…
照れた。
杉田だけデレデレしてんのがムカついたから、俺も呟いた。
「二人でちゃんとした休みが取れたら、考えてやるよ…
海。」
「中村ァァアアアアアア!!!!」
二回目のタックルはさっきよりも痛かった。
fin
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