第1話 夢の中で逢った、ような……

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ここはどこだろう・・・ 白黒の正方形の模様の床や壁の廊下を私は出口を求めて走っている。 けっこう走っているけど全然出口が見つからない・・・ そして、分かれ道に出て「EXIT」と書かれた一般的な非常口のマークの看板が見えた。 私は少し安心してその重い扉を開ける・・・・でもそこは出口じゃなかった。 暗い雲に覆われた街、空には大きな歯車が浮いていて私が今まで見たことのない物。 どこかの建物の屋上に出たみたいですごく高い・・・ 出口の正面のビルの上に私と同じくらいの女の子がいて、その子が宙に浮いている歯車に向かって飛んだ。 でも、その女の子は突然現れたビルに潰されたように見えた。 でもそれを避けたのか再び姿を見つける、でも今度は不気味な光がその子に向かって飛んできた。 左手の盾みたいな物でその光を受け止めるけど飲み込まれて・・・ 「ひどい・・・」 思わず声が出てしまう・・・ 「仕方ないよ、彼女1人では荷 が重すぎた。 でも、彼女も覚悟の上だよ」 いつの間にか私の近くの鉄のテーブルに見たことのない白い生き物がそう諦めたような口調でそう言う。 「そんな、あんまりだよ!こんなのってないよ!!」 なす術もなく一方的にやられてしまう女の子、一瞬その子と目が合って・・・ 何も出来ない・・・私には何も・・・ 「諦めたらそれまでだ」 白い生き物がそう私に諭すように言う。 「君なら運命を変えられる。 避けようのない滅びも、嘆きも、全て君が覆せばいい。 そのための力が君には備わってるんだから」 「ほんとなの・・・?」 白い生き物の言葉に私は驚き、そしてその言葉を信じようとそう聞き返す。 「私なんかでも本当に何かできるの? こんな結末を変えられるの?」 「もちろんさ。 だから僕と契約して魔法少女になってよ」 一瞬だけ戸惑う、でもできるなら変えたい、私にできるなら・・・
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