さのぬい①

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「不知火何やってんだよ…」 同じ寮の相部屋の相方は今ベッドの上で雑誌を読んでいるが、俺は退屈で仕方ねぇから声を掛けてみた 「ん?…見たら分かるだろ?」 立っている俺を見上げるように見つめてきた不知火の格好は俺を煽るのに十分で、何だよその袖が余って指先しか見えない上着とか…反則だろ……とか思っていたら中々返事を返さない俺を不審に思ったのか、ズズッと顔を近付けてきた不知火の唇にそっと己の唇を重ねてやる 「……!!原田、てめぇ、何しやがる」 「可愛いじゃねぇか、顔真っ赤だぜ」 意地悪にニヤリと笑って耳元で囁いてやれば口付けに既に真っ赤になっていた顔が更に赤みを増して、睨むようなそんな表情だって今は可愛いだけ 「不知火…良いだろ?」 有無なんて言わせねぇよ、そう内心で思っていてそっと不知火の案外薄い肩をベッドに押し付けて優しく微笑んだらほら、反論何か言えなくなって悔しそうに睨むその相貌にまた惚れ直す 「お前、それ以上煽るなよな」 「煽ってなんかねぇよ!…馬鹿じゃねぇの」 自覚無しってのが一番厄介なんだよなと苦笑して、仕方なくそれ以上は言わずに可愛くない台詞を言う相手の口を塞ぐ先ほどより深く甘い口付けを一つ 「んんっ…」 苦しげな甘い言葉に頭が麻痺しちまいそうで、ヌルッとした舌を入れてしまえばお前は完璧に反発何て出来なくなるだろ? 「んっ、んんっぅ」 苦しげに眉を寄せる相手の姿を確認すればようやく唇を離してやり 「はら、だっ…」 とろけたような表情にその瞳には涙が浮かんで何時もと違った様子のお前、勝ち気に悠々と笑っている姿は今の艶めかしい姿からは想像もできはしないだろう… まだまだ、夜は長い ☆――――――――――――★ これからはご想像にお任せします(*´∇`) .
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