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それから1ヶ月と数週間が過ぎた後、突然部屋に飛び込んで来たナズナの衝撃的な言葉に、ツカサは夜食に食べていたカップラーメンを落とし麺と汁を床に撒き散らした。
「……ナズナさん、今日エイプリルフールじゃないですよ?」
「本当ですって!!ソノカ様が興奮気味に話してましたし何ひとつ間違いありません!!」
「いやいやいやいやいや、今までちゃんと仕事続けられている事が奇跡に等しいのにそんな展開ってありえませんよ」
「私も最初は夢ではないのか疑いましたが極東支部の公式サイト調べたらちゃんと載ってましたよ!!」
「だからってリムが"部隊の長に昇格した"ってありえませんって。ほっぺたつねりましたか?なんなら俺がつねってあげましょうか?」
言いながらナズナの両頬を両手の親指と人差し指でつまみ、むにぃーっと限界まで伸ばす。
口調が冷静だが、ツカサの頭の中は"ありえない"という言葉一色で、混乱の渦をまいていた。
「いひゃい!!いひゃいれふ!!」
女の力では男の力に適わず、頬を強くつまむ手を必死にペチペチと叩く。
「ねっひょ!!ねっひょれひょくしぇつひらへれくらひゃい!!」
「………分かりました」
ツカサはナズナを解放すると、早速机の上のノートパソコンの電源をつけ、ネットに繋げて公式サイトを開いた。
数分間の調べ作業を続けた末、ツカサは部隊長の覧に妹の名前を見つけた。
リムは兄が知らぬ間に極東支部で活躍して第一部隊の隊長、そして極東支部の主力である討伐班のリーダーに昇格したのだ。
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