208人が本棚に入れています
本棚に追加
妹の部下――否、友達を大切にする彼女を支えなくては。
その為には、早く実戦に出れるぐらい強くなろう。
その思いを胸に秘めたツカサにとって、演習と講義を受けている時間はあっという間に短く感じた。
そして5日後、とうとうツカサは実戦に出れるようになった。
初めて受けるミッションは彼とリム、そして友達2人の計4人で受ける――はずだった。
「ゴメンゴメーン♪私こないだ支部長に頼まれた資料、今日渡さないといけないんだー♪だけどまだ記入すら終わってないから、コウタとアリサの2人で兄ちゃん連れてミッション行ってね☆」
「まったく…隊長なんだからきちっと仕事して下さい!!」
「そうだぞリムー。そんなんじゃリンドウさんみたいに情けない人間になるぞー」
「コウタさんがそれ言える立場ですか…?」
「………」
部下2人に叱られている隊長。
何故、彼女は上司から隊長に任命されたのか。
リムは仕事というモノを甘く見ているのか。
どうしてそう笑っていられるのか。
いくつかの疑問を抱きながら部下2人に叱られるリムを遠目に見る。
「じゃ、2人共兄ちゃんの事頼んだよー♪」
そう言うとリムはクルリと体を半回転させ、軽いステップを踏みながら階段を上がっていく。
そのだらしない隊長の背を呆れた様に見る部下2人。
だがツカサには、彼女の背中がどこか怯えている様に見えた。
そんな気が、なんとなくした。
最初のコメントを投稿しよう!