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任務を終えた帰りのヘリの中は沈黙に包まれていた。
ターゲットのディアウス・ピターの腹からリンドウの腕輪と神機が取り出されたのだ。
それによってサクヤとアリサは、本当に雨宮リンドウが死んだという事実を突きつけられ強いショックに口を動かす気力を失った。
ツカサは椅子に座るとボロボロのジャケットを脱ぎ、疲れきった体を休めようと目を瞑った。
―――ピピッ
「………端末か…?」
ボロボロのジャケットの胸ポケットから擦り傷だらけの手で、敵の攻撃の影響で表面がひび割れた通信端末を取り出す。
一件の受信メールと10を超える不在履歴の数がある。
「ごじゅうあらし……さつき?」
記憶に無い人物の名前を見て、ツカサは首を傾げメールを開いた。
―――――――――
―――――――
―――――
「リム!!」
叫ぶのと同時に病室のベッドに眠る妹の肩を掴んだ。
その手を別の手が掴み制御を掛ける。
「やめろツカサ…こいつは何カ所か骨が折れてんだ。そんな事すると悪化する…」
「………」
赤いジャケットを身に纏った男――大森タツミの言葉に、ツカサはそっと細い肩から手を離した。
するとタツミの隣に立つ少女が涙で濡れる顔を両手で覆い隠しながらか細い声で呟いた。
「リム姉ちゃん……なんで…こな事にぃ…!!」
「サツキ…」
タツミは少女の名を呟くと悲しそうに彼女からリムの顔へと視線を移した。
「まさかだよな…。リムがこんな風にされるなんてよ…」
「………」
ツカサが帰投中ヘリの中で見たメール。
それはリムが任務で重傷を負ったとの事だった。
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