ボーイミーツキャンパスⅡ

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「にゃー(何でもないはないんじゃない?)」 「なぬ!?」 さっきまで下にいたアッシュたんが窓から入ってきた。 この高さなら造作もないことか。 アッシュたんはそのまま音もなく俺の机に着地する。 「何じゃ、アッシュか」 「にゃー(あたし参上)」 アッシュたんはリリの方を向きもう一鳴きする。 「ったく」 ここでお前がここに来たらめんどくさいことになるだろうが。 「あっ!?」 「えっ、何あれ」 「魔物?」 「窓から入ってきたの?」 「かわいい」 「けど黒髪の人と一緒だよ」 ほらほらほらこうなる。 ほとんどの生徒、特に女生徒がこちらをチラチラみながらこそこそ喋ってる。 担任はぼーっとしてるし、レンも特にノーリアクション。 現在自己紹介中の男子生徒も自己紹介しながらこっちを見てるし。 「こうなるから無視したのに。とりあえず机から下りとけ」 俺はしょうがないので周りに会釈をしながらアッシュたんの脇を持ち、膝に乗せる。 「アッシュ人気者じゃな」 「にゃ(当然よ)」 リリはそんな光景を楽しく見てるし、アッシュたんは無意味に誇らしげだし。 「前向けー」 流石副担任、レンが後ろを向く生徒達を注意する。 それにより大半の生徒はビシッと前に向き直った。 これがカリスマってやつですね。 しかしそんな中で未だにこちらを見ている生徒がいた。 奴等だ。 パステルヘアーの御一行。 中でも最初に反応したホワイトヘアーが熱心にこちらを見ている。 あいつはアッシュたんの正体?を知っているからな。 正確にはこの姿が何なのか、を知っているから要注意だ。 そんなことをしている間に自己紹介の順番は再びパステルの領地に入った。 今度は茶色が自己紹介をする様だ。 「セレス・ノウムだよ。出身訓練所はラサマ。う~んと、得意な属性は土だよ。う~んと、よろしくお願いします」 茶色い娘は少し癖のあるしゃべり方で自己紹介をすると、最後に深々と頭を下げる。 「にゃ(ふん)」 そんな自己紹介に興味はないのだろう、アッシュたんは机から下りると教室内を巡回しだした。 そんなアッシュたんに興味を引かれ視線を向ける生徒もいるが。 まぁいいや。 アッシュたんはほかっといて俺は自己紹介を見るとしよう。
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