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ルミアが席でパタパタしていると、その後ろの席の黄緑が立ち上がりルミナの肩を叩いて何か笑いかけながら前に出た。
「リリ、あいつも創始者ズのメンバーだろ?少し興味がある。解説してくれ」
確かあいつは初っぱなに騒いで俺に取り抑えられた喧しい奴だ。
「ん?解説じゃと?」
リリが再び首を大きく反らしてこちらに向く。
「あぁ、あいつらについてお前の印象を聞きたいなと」
「そうじゃな。今出てきたのは「エルト・ウィンディ15歳です!!出身訓練所はラサマ訓練所。得意属性は風!!」あんな感じじゃ」
エルトと名乗る黄緑は何故か勝手にひとりでハイテンションになって、自己紹介を始めた。
声のトーンもだがキーも下げて欲しいような高い声だ。
耳がキンキンする。
「共に青春を謳歌しようじゃないか!!」
最後にさらに大きな声で右拳を振り上げながら叫ぶと教室全体に風が吹き荒れ、生徒達の入学案内の書類が飛び乱れる。
当人の黄緑は一人でやりきった顔をして席に戻りやがった。
周りの生徒の反応は後ろからでもわかる。
おいてけぼりの唖然と言うより呆然。
このことについては特にお咎めもなく、引き続きモブキャラの方々の自己紹介が続く。
こいつらにもそれぞれ自分が主人公の波瀾万丈な人生があるのだろうが、今のところはそれが俺の人生と交わることはないようなので、興味は薄れリリとの会話に講じる。「あー。あやつはあれで全部じゃろうな」
リリは黄緑の後頭部に目線を向けながら言う。
「そうだろうな」
究極に裏表のないおバカキャラ。
深い過去には何かあるのかも知れないが、俺がそれに触れる機会はないだろう。
頼もしい仲間がいっぱいいるみたいだからな。
「強いて言うなら、属性は風と土と光の3つで光属性に関しては去年に顕現したばかりじゃから、大きすぎるチカラを持て余しておる感じじゃな」
「光属性ねぇ。っで、あいつは強いのか?」
「雑魚じゃな」
「いやいやいや。お前基準じゃなくて世間一般的に」
そりゃあ、お前からしたら大体の学生が雑魚だろ。
「わしが世間一般を知っているとでも?」
「だな」
こいつが世間一般やら常識やらを知っているわけがないか。
下手したら俺よりも知らないかもだし。
「そう言うことじゃ。わしに聞かれてもあ奴等のことなど、得意魔法や戦闘スタイルしかわからん」
「それを聞いてんだよ!!」
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