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「確かにの。じゃがその分強力じゃ。初級魔法であってもそれを立て続けに出されれば一溜まりもないじゃろうし、何もただの魔力弾が撃てないわけじゃない。弾も沢山作れるし持ち運びにかさばるような物でもあるまい。余程の連戦でもない限りは弾切れはないじゃろう。それよりも心配するべきは」
「弾の装填時間」
「なんじゃ。知っておったのか?」
「まぁな。その手の銃は装填数にもよるが、魔銃内の弾が空になってから如何に隙なく弾の補充が出来るか、補充できる隙を作れるかが肝心だ」
知らんけどさ。
ただそれっぽいこと言いたいだけだけどさ。
「そうじゃな。じゃが、その問題に関してもあやつは問題なしじゃ。あやつは自分の武器の特性をようわかっておる」
「お前が褒めるくらいならそうなんだろうな」
俺は不敵に笑いながら自己紹介を終えたのか席に戻る水色に目線を送るリリの頭をワシャワシャと撫で回した。
「な、なんじゃ!?」
「いやー、何でもー」
「おい!!そこ、あまり騒ぐな!!」
リリとじゃれ合っていたらレンに注意されてしまった。
きゃーこわーい。
「怒られちゃった」
「零は少しはしゃぎすぎじゃ」
「まぁな」
魔法学園に入学してテンションが上がらないわけがないだろうよ。
これでもキャラ作りのために相当我慢してるんだけどなぁ。
まぁ、パステル共が執拗にこちらを見てくるのはもう手遅れっぽいし気にしないことにしたし。
「やれやれじゃ。おっ!次は解説いるかの?」
リリが苦笑しながら次の自己紹介者を見て聞いてくる。
「そうだなぁ。あいつについては必要ないな」
あれについては若干の予備知識はあるし、変に探りを入れてもつまらないだろう。
「そう言うじゃろうと思おたよ」
リリもそんな俺の考えをわかっていたようでにんまりと笑う。
「ラサマ訓練所出身、ユミル・ラグナロクです。よろしくお願いします」
白髪イケメン主人公野郎はいかにも誠実青年と言った感じに頭を下げ自己紹介をした。
なんの面白味もなく、目立つでもなく浮く訳でもなく、ただ流れるように。
特に特別なことをするでもなく、顔を上げた白は直ぐに席に戻ってしまった。
他の生徒もそれに対して特に反応することもなく自然に拍手だけをして終了。
えっ?
何これ、スルーする感じですか?
白が目立ちたくないのはわかるが、周りのこの反応は?
お約束みたいなものなのだろうか?
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