ボーイミーツキャンパスⅡ

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「以前、こいつがあいつ等に特訓をつけたことがあるんだとよ」 そう言い俺は隣のリリを親指で差した。 奥のリビングに入った俺達は俺とリリが備え付けの白いソファに座り、ルミアが四角いテーブルの両サイドに2つずつ置いてある椅子の1つに反対にまたがって座って話を始めた。 リビングはおよそ15畳、入って左にはキッチン、右手には恐らくは寝室だろう扉、正面には本館が見られるベランダ、と一人暮らしには広過ぎる作りだ。 「へぇー。リーちゃんが強いことは知ってたけど、ラジアやアナトリアさんよりも強いなんてびっくりだなー」 ルミアは俺のこともあり大袈裟には驚かないものの、興味深げに椅子をカッタカッタとさせながら背もたれに手と顎を乗せてリリを見る。 「あやつらなんぞわしの足元にも及ばん」 リリは腕を組んで偉そうに言う。 「ってことはリーちゃんは何歳の時にその特訓を見てたの?確かこの間7歳になったんじゃなかったっけ?」 そうだ。 こいつにはリリの歳は100歳マイナスで教えてるから、その辺で矛盾が出てくるんだ。 理由は無論その方が楽しそうだからに決まっているのだが。 これはめんどくさいぞ。 「いやーそれはー…どうなんだリリ?」 めんどくさいのでリリに丸投げした。 「わしか!?」 「お前のことだろ?」 俺の勝手でリリの歳を偽っていることは棚にあげて扉を閉めた。 そこでリリは別に本当の歳を言ってもリリに取手は大して問題はないだろうに、俺がやけにこだわるので価値観が崩壊しているのだろう。 どうやってルミアに本当の歳を隠すか無駄に苦悩している模様。 「リーちゃん?」 そんなリリをルミアの無邪気で純粋な目が責める。 「…この間じゃ」 こいつ自棄だ。 もう何にも考えずに思い付きで言い放ちやがった。 「この間?」 そんなリリの曖昧な答えに首を傾げるルミア。 さぁリリ、どうする? 「そうじゃ。学園に入る前に少しだけじゃ」 こいつ、勇者か? 「ふーん。そうなんだ。じゃあ私も今度見てもらおうかな?」 信じただと!? 「わしは零と違って厳しいぞ?」 「あはは。楽しみにしてる」 綺麗に纏まりやがった。
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