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「ここね」
1101号室
そう書かれたここは1号館の最上階。
ルミアの部屋から1つ上がった場所だ。
「そうじゃな」
「っておい!!何故にここだけ造りがこんなに違うんだよ!!」
「すごいよね」
そこはワンフロアに1部屋というどこのスイートだよという話が始まる最上階的なあれだった。
階段を上がったそこには1101号室の部屋の扉しかない。
「レンの仕業だな」
「マスターだよね」
「レンじゃな」
全面一致でレンの所為だった。
まぁ広いに越したこともないし別にいいか。
逆に隣さんがいないのは気が楽でいいし感謝してもいい。
「じゃあ入るか」
俺はリリから生徒証を受け取ると魔力を軽く、かる~く流してドアを開けた。
「造りは、まぁそんなに変わんないな」
入るとそこは先程のルミアの部屋と同じ様な廊下だった。
特別広いわけでもなく、長いわけでもない。
「あれ?ほんとだ」
「そうじゃな」
「にゃー(ここが新しい城ね)」
「あっ、アッシュたん」
俺の後からルミア、リリ、そしていつの間にかついてきていたアッシュたんが何食わぬ顔をして入ってくる。
「まぁ、そんなに広い家は好きじゃないから俺的には問題…」
そう言いながら奥の扉を開けると、
「・・・」
「おお零、遅かっ」
俺は静かに扉を閉めた。
「どうしたの?零。何か声が聞こえた気がしたんだけど」
「ドンマイじゃ零」
「にゃー(そんなもんよね)」
ルミアは何が起きたのか理解できていない様だが、リリとアッシュたんは早くも俺への慰めへと入った。
「なんで閉めんだよ!!」
俺が固まっている間に目の前の扉は俺の意思に反して開く。
そして中から伸びた手に手首を掴まれ、俺は部屋へと引き摺り込まれた。
「マスター!?」
「おおルミア。それにリリとアッシュも、早くはいれよ」
俺の部屋だと言われたそこには先程まで教壇にいたレンがいた。
「ったく、なんでお前がいんだよ」
俺は入るなり目の前の副担任に文句を垂れる。
入ると中はルミアの部屋の3倍程はあろうリビング。
白いソファは背もたれがあるものとないものがあり、それがコの字に置かれている。
真ん中に四角いガラス机が1つ。
もうちょっとした集会ができるレベルだ。
って、ここは俺個人の部屋だよな?
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