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「いやあ、こんな広い部屋に零一人じゃ寂しいかと思ってな。しょうがないからオレも一緒に住んでやろうかと」
「いやいやいや。なら最初から普通の部屋にしろよ」
明らかにこれをする為だけに俺をこの部屋にしやがっただろうこの野郎。
「しょうがないだろう。お前らは飛び入りなんだからこの部屋しか空いてなかったんだよ」
「ぬぬ」
そこを突かれると事の真偽はわからずとも言い返せない。
「わしの部屋はどうなっておるのじゃ?」
そこで俺の真下から新たな介入が。
「そうだな。他に部屋がないってことはリリもどっかの最上階なのか?」
正直、俺は部屋を空間魔法で改造する気満々だったから、どんなに狭い部屋でもリリと一緒に住む予定だったのだが、この広さがあればその必要も無さそうだ。
「え?え~と、それは…」
レンが珍しく目を泳がせる。
まさか、な。
「リリ、部屋番号は?」
リリは先程ミズキさんに貰ったメモを取り出し見る。
「548じゃな」
「全然普通じゃねぇか!!」
「あれえ?」
「それ以前にわしは零と一緒の部屋に住むつもりなんじゃが?」
「何言ってるのリーちゃん!!」
突然ルミアが机を両手で叩いて怒鳴り出した。
「なんじゃ?」
そんなルミアに動じることもなくリリは首を傾げる。
「リーちゃんだって女の子なんだから男の人と同棲だなんてダメだよ!!」
そんなリリの反応に更にルミアがヒートアップする。
「そう言われてものう。今朝もわしは零と同じ布団で寝たのじゃが」
「えええええ!!そんな話聞いてないんだけど!!零どういうこと!!」
何故か矛先が俺へ。
「んなこと言われてもなぁ」
リリと一緒にアルのお店の2階で暮らしだしてすぐ、俺はリリの分のベッドを創ってもよかったのだが、こいつが必要ないと言い、俺もベッドは十分な広さがあるから特に反論することもなく半年過ごした。
別に幼女に発情することもないし、長い時間を独りで過ごして人肌恋しそうな目をするこいつに欲情したので特に問題はなかった。
なんて言ったらルミアはうるさいんだろうなぁ。
「いいんじゃねえのか?これからはオレもいるから」
「なんでお前は一緒に住む前提なんだよ!!」
「マスターはもっとダメです!!」
然り気無く…もないレンの発言に俺とルミアのツッコミが入り、レンが膨れっ面をする。
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