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「うぅ」
これは流石に響いたのか、レンは呻き声を上げる。
あともう一押しだな。
「こんなに広い部屋なんだ。たまには遊びに来てもいいからよ」
「っああ!!ったくわかったよ。その代わり今度からは教室でもあんなめんどくさいことはしないからな!!」
「ぐぐ」
それは辛い。
しかし、レンがこの部屋に住み込むことを思えばここが妥協点か。
「わかったよ。それで行こう」
俺はお手上げとばかりに首を振り肺から空気を吐き出した。
「じゃあ話も纏まったし部屋の探索でもするか」
アッシュたんは早くも隣の部屋へのドアへと行ってしまっている。
俺が両膝に手をつき重い腰をあげアッシュたんを追い掛けようとしたところでルミアが立ちふさがった。
「零、話はまだ終わってないんだけど」
「なんだよ?」
「リーちゃんについて!!」
「あぁ、そのことね」
こいつはまだそんなことを言っているのか。
そんなの俺もリリも同意してんだからお前には関係無いだろ?
とか言ったら怒るんだろうなぁ。
「考えても見ろ。俺とこいつは何歳年が離れてる?」
「...10歳?」
100歳ですはい。
「そうだろう。そんだけ歳が離れてて男も女もないだろう?」
「そんなことないもん。10歳差なんてお互いに歳を取れば関係無いもん」
100歳差な。
「んな先の話、今は関係ない。それにリリに一人暮らしをさせるなんて危ないだろう(常識的な意味で)」
「それはそうだけどさ(幼い的な意味で)」
「いや、わしは別に一人暮らしくらい「お前はだまってろ」む~」
自分の扱いに不満を漏らすリリを黙らせる。
「こいつは確かに強い。けどな、こいつは顔には出さないがこんな歳で一人初めての場所に投げ出されて不安な訳がないだろう?わかってくれ、ルミア」
「私…リーちゃんの気持ち、全然わかってあげれてなかった。ごめんね、リーちゃん。お姉ちゃん失格だね」
いつの間にお姉ちゃん気取りだよ!?
ルミアは勝手に涙ぐむと、しゃがみリリの頭を撫でた。
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