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「遅れたぜえ」
レンは遅れた人間とは思えない態度で両開きの職員室の扉を開けた。
中には長机を中心に並べそれを囲むように先程入学式で見かけた教師から、見かけてない教師までが座っていた。
地下と言うこともあり電気はついているものの若干薄暗い。
「来たか」
机の一番置くに座るユナが腕を組みながら睨んでくる。
このキャラ壊したいなぁ。
ってえええ!?
ユナの隣には白いあいつが座っていた。
「わりいわりい。けどちゃんと連れてきたんだ。文句ないだろ?」
レンはそう言いながら部屋の中に足を入れた。
結界?
この部屋全体を囲むように上級クラスの結界が張ってある。
レンが何もなしに入れたのを見ると外側からではなく内側からの何かしらに反応するものだろう。
言ってみれば、地下で秘密のお仕事でもするのだろう。
創始者もいるところを見ると大量の魔力を使うのか。
「わたしも噂でしか聞いたことがないのだが、実力は確かなんだろうな?」
「馬鹿言うなよ。実力は俺よりも遥かに上だ」
レンの言葉に先程まで黙ってみていた教師陣がざわめく。
んなハードル上げんなよなぁ。
「いいぞ、ゼロ」
レンが後ろを向き俺を促す。
「こちらだ」
しかし完全にキャラになりきった俺は時間を止め誰に気付かれることもなくユナの隣の空いている席に座り時間を戻した。
「何ッ!?」
その瞬間ユナが飛び上がり咄嗟に何やら危なげな魔方陣を俺に向けてきた。
っておいおい。
ユナ以外の教師も一拍かかって各々の杖であったり剣であったりの武器を一斉に俺に向けてくる。
「...」
警戒しすぎだろ。
特に創始者。
最上級クラスの魔方陣を何個出すつもりだよ。
それだけで余裕で学園がなくなるわ。
ルフナでさえ左右長さの違う両刀を大技でも出す勢いで構えている。
構えていないのは俺の担任だけだった。
名前は…なんだったっけな?
まぁ、俺は謎キャラなのでこの程度で狼狽えたりはしない。
「俺がゼロだ」
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