ボーイミーツティーチャーズ

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叫ぶレンの声を無視して俺は両手に魔力を込めた。 その状況に一拍置かずして全ての教師が数分前と同じ様に武器を俺に向けた。 だが俺は魔力を込めることを止めない。 その刹那、まぁ当然だろうな。 レンを挟んで俺の横に座っていた茶髪の男教師が手に持つ長剣を俺の両腕へと振り下ろした。 「おい!!」 そんな男の行動にどっちを心配してかレンが叫ぶ。 俺の心配はいらないがな。 俺はどっかのロリコン四天王とは違って、別の作業で演算をしながらでも基礎演算は続けられるんだよ。 ってことで、はい反射。 「ガッ!?」 長剣は弾かれ男の顔面へと飛んでいく。 「やめろ!!」 初めから教師の方を心配していた様だ。 レンは弾かれた長剣を右手で掴みとると周りで臨戦体制を続ける教師に向けて吼える。 しかし向けられていた武器は俺へと向かってきた。 魔銃はトリガーを引かれ魔方陣からは俺を破壊するための様々な魔法が放出される。 教師達はレンの言葉を俺に向けて言ったものだと勘違いしたのだ。 そして、唯一俺への信頼を繋いでいたレンのそれは教師達に共通の決断をもたらした。 ゼロは敵である、と。 はっきり言って、それは一個人に向けられてよいチカラではなかった。 試し撃ちにも半径10km以内の安全確認が必要なレベルの攻撃が十以上も同時に狭い密室で爆ぜる。 部屋中は轟音と閃光で埋め尽くされる。 と思いきや、魔法が放たれると同時に20にも及ぶ強力な結界が俺と魔法を包むように張られ、逃げ場を無くした魔法は結界内でそのエネルギーを放出しきる限りに荒れ狂った。 因みに創始者は呆然タイム。 結界内で荒れ狂う魔法はそのエネルギーを使い切るのに数秒を要した。 「はぁはぁ。だから私は外部の人間のチカラを借りることには反対したのだ」 「マチルダ氏でも人選を見誤ることがあるのですね」 白く光る光球と化した結界を前に息を切らした教師達は悪態をつく。 「しかし今の魔法でわたしは大分魔力を使ってしまった」 「これでは明日までに間に合うかどうか」 俺のことはお構い無しに議論を始め出したよ。 ちょっと調子に乗りやがり過ぎちゃあいませんかねぇこの野郎。 「レン」 ユナが困った目でレンを見る。 「お前ら、今すぐ土下座だ」
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