ボーイミーツティーチャーズ

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「レン、何を言っている?」 「謝って頂きたいのはこちらの方なのですが?」 ユナは怪訝な顔でレンを見つめ、椅子からズレ落ちていた青髪ポニテは立ち上がり埃を払いながらレンを睨んだ。 俺はと言うと、未だに様々な魔法の合わさった膨大なエネルギーの奔流に飲み込まれていた。 「はあ、お前らは何もわかってねえよ。ユナ、オレ言ったよな?」 俺は最早亡きものとしたのか、この状況に教師達はレンを責める空気をつくっていた。 しかしレンはそんな空気に心底うんざりしたように吐き捨てる。 「ああ、ゼロの機嫌を損ねるなと言うやつのことか?」 「学園長、それは一体?」 「何故我々があの様な者の機嫌取りなど」 「何ですかそれは!?そちらは学園に雇われているのですから、そちらが機嫌を伺うことはあってもこちらにそれを要求するのは「どうなっても俺は責任とらねえからな」」 ユナの言葉にざわざわし出す教師達とぐちぐち言う青髪ポニテにレンが面倒くさそうに被せる。 「ですから責任はこちら、が…」 それでも食い下がろうとする青髪ポニテだが、その口はすぐに止まる。 漸く俺の周りで荒れ狂っていた魔法がそのエネルギーを消耗し、光が収まってきたからだ。 つまりは本来跡形もなく消し飛んでいなければおかしい俺の影が浮かび上がって来たわけだ。 と言うか、いきなり消し飛ばそうとするとかここの教師、沸点低すぎんだろ。 せめて拘束するくらいに留めておくのが常識...ではない様だ。 それが世界の、なのか、この学園の、なのかはわからないがな。 先程まで今後について検討していた教師達も口を閉じ、俺再び。 「ひゃッ?!?な、何なの!?なのよあなた!!」 「・・・」 「ゼロすまん!!オレの説明が不足してて、こいつら勘違いしちまったんだよ」 俺が暴れるとでも思っているのだろう。 レンは顔の前で合掌をして謝ってくる。 さっきまでオレは知らねえとか言ってたくせに、いいやつだ。 俺は別にこのまま暴れてもよかったけど、俺が現れるなりまた椅子からズレ落ちて取り繕う青髪ポニテがあまりにもかわいかったし、レンにも免じて今回は許してやろう。 「この程度のこと、気にすることでもない」
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