ボーイミーツティーチャーズ

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「はぁ」 溜め息が漏れる。 僕だってできることならあまりこういう奴とは関わりたくはない。 しかし、こいつがリリス様との関係を持っている限りそれを無視することはできない。 ましてやクラスメイトだ。 ここでなんとかしないと。 「…あなたは…ルミアの友達?」 僕が悩んでいると隣を歩くミーネが及川に話しかけた。 どうせリリス様に聞けと返されるのだろうが。 「…そう、友達」 「何!?」 何故ミーネの問いには普通に答える? あまりの驚きに声を出してしまう。 「ロイド…煩い」 「わ、悪い」 ミーネに睨まれてしまった。 しかし、何だこの対応の差は。 「リリス様とは…友達?」 「友達?…いや、家族に近い」 「…そう」 戸惑う僕を置いて話が進んでいる。 「「・・・」」 しかしそれきり、ミーネも満足したのか黙ったまま前に向き直って歩く。 「あっ、いや…なんでもない」 なんとか及川と話をしようかと思ったのだが、あまりの僕への無関心さに言葉を繋げれなかった。 そしてそのまま何を話すでもなく寮についてしまった。 「僕らはここだ」 学園長の図らないなのか僕やミーネ、それにエルトもみんな寮は1号館だ。 なんでも1号館は本館からも近く人気があるようだ。 だから、1号館には何かしらの人選が行われるらしいのだが、その仕方は不明だ。 いや、人選があると言う噂も定かではないか。 「…俺も」 「え?」 「リリスに聞ゲフンゲフン…俺もここだ」 何やらひどく取り乱したように見えたが、どうやら及川も同じ1号館の様だ。 「そ、そうか。それは奇遇だな」 僕の頬を冷や汗が伝う。 及川がいると言うことは、もしやリリス様も1号館ではあるまいな。 「・・・」 僕がそんな可能性に足を止めて頭を悩ませている間にも及川は寮の中に入っていってしまう。 それに続いてミーネも寮に入って行ってしまう。 エルトはと言うと僕の背中に隠れながら肩から顔を出して及川を観察していた。 「お、おい!!」 僕は肩に乗るエルトの手を引っ張りながら及川とミーネを追い掛けて寮へと入った。
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