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†
あー厄介だ。
ホント厄介だぜロイド。
すっげぇ質問してくるしついてくるしマジ勘弁。
極めつけに同じ寮とか。
わざとだろ。
黄緑はめっさ警戒してるしミーネたんマジミーネたん。
「…何?」
「わたしの部屋も…こっち」
「…そう」
くそ、ミーネたん可愛すぎてキャラが保てねぇ。
「それにロイドとエルトも」
ミーネたんが振り替えると丁度階段の角を曲がってくるロイドと黄緑がいた。
「何故、転移魔方陣を使わない?」
ロイドは悪態をつきながらもせっせとこの8階まで階段を上ってきたのだが、じつはこの寮の一階には階と階をリープするための魔方陣がある。
これは決められた2つの魔方陣の間を魔力を流すことで誰でも行き来ができると言う優れものだ。
欠点としては遠い距離では使用できないこと。
後は魔方陣を書くのには時間がかかるから戦闘には向かない、と。
そして俺がその転移魔方陣を使わない理由だが、忘れてた。
ただそれだけだ。
エレベーターもないこの世界では階段は当たり前だし、転移魔方陣なんて文化に俺はまだなれていない。
そんな状況でロイドにちょっかいかけられていれば、無意識のうちに当然のように階段を登りだし、3階辺りでそう言えば、と思い出したわけだが引くに引けなくなったから今こうしてせっせと上っているのだ。
それに転移魔方陣9階までしかないし丁度いい。
健康にもいいしね。
うん。
だから階段を上ってきてよかったんだ。
ってことで、
「…」
無理に返答する必要もないだろうとロイドを無視して、階段を上るのを再開した。
と言うかもう8階だぞ?
こいつらいつまでついてくんだよ。
これじゃあもう、
「…9階?」
後ろからミーネたんがわたしは9階だけど貴様もそうか?
みたいなことを聞いてきたが残念ながら俺は10階なのだよ。
「…いや」
俺は9階のフロアを通り過ぎ10階へと向かう。
はぁ、これで俺の部屋がわれてしまった。
人払いの結界でもかけとこうかな。
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