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そして、あいつの影にでも隠れてチキンのレッテルでも貼ってもらうか。
名案だ。
「それじゃあえぇっと、リリは…あっちか」
魔力探知で今一度パートナーの正確な位置を確認。
このまま真っ直ぐ2kmくらいだな。
空間魔法でも使えば一瞬だが教師が見張ってるかも知れないし、走っていくか。
「位置について」
俺は中腰のような体勢で片手を付き片手クラウチングポーズをとる。
「いた!!」
「よーい」
もう片方の手を上げ、重心を前に傾けると足に力を込める。
「どん!!」
「くらEうわあっ!?」
魔法を使わない純粋な筋力で俺は走り出した。
スタートするとき誰かいたが、まぁいいや。
木々を避け草を飛び越え走る。
途中、俺に気づいた生徒が魔法やら剣やらで攻撃しようとしてきたが、遅い!!
「ナニワのスピードスターと呼ばれた俺に追い付けるかな」
俺の存在に気付いたときには俺はもう遙か後方を走り抜けている速さだ。
因みに呼ばれてはいない。
難波に行ったことすらない俺の速すぎるスピード&アジリティに、この場の薄暗さも助けて、俺だと認識はされていないだろう。
走り出しておよそ30秒。
そろそろリリがこの辺りに…うん。
立ち止まった。
「ぅおおおおおお!!」
「待って!!逃げましょう!!」
「かっかっかっ。もう遅いのじゃ」
「ぐああああああ!!」
「きゃあああああ!!」
「くそっ、化物め」
「勝てっこないよ」
「俺さ、この検査が終わったら…」
「あんなのと一緒にいられるか。俺は自分の部屋で寝る」
「こんなところでこれを使うことになるとはな」
「やれやれしょうがねぇ。久々に本気、出してみるか」
「こんな所で終わってたまるか!!」
「ふっ、その顔。お前の親父さんを思い出すよ。ここは俺にやらせてくれ。後で合流しよう」
「いや、お前だれだよ」
「…」
『ぎゃああああああ』
その場は阿鼻叫喚が地獄絵図でディザイアーにナイスボートだった。
その場では幾つもの人間ドラマができあがっていた、のか?
「ストレスでも溜まってたんかねぇ」
悪乗りもいいとこのレベルでリリが暴れていた。
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