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「ぐああっ!!」
そこには槍に吹き飛ばされるロイドがいた。
リリスに吹き飛ばされた後再び姿を隠して機を狙っていたのだが、リリスがそれに気付いていない訳がない。
ダメージの上限を切ったロイドは光に包まれ何をすることもなく早々に退場した。
「ロイドがやられた」
「それくらい想定内だって、の!!」
ロイドの退場に特に悔しそうにするわけでもなくラジアが呟くと、セレスは逆に嬉々として地面に両手を押し付けた。
するとそれに合わせてリリスの足下から無数の土の棘が突き出てくる。
下級魔法の″アースニードル″だ。
本来一度の魔法で一つの棘を生み出す魔法なのだが、セレスはそれを無詠唱で一度に何個も出している。
「なんじゃ、もう条件は整ったのか」
リリスの言う条件とはセレスの魔武器である短剣による能力の発動条件である。
その能力は場の支配。
土魔法無双だ。
しかしセレスは、
「ちっちっちっ、甘いな婆ちゃん。これは~、あいつは使ってね~んだな~。これはあたしの、じ・つ・り「婆ちゃん言うな!」えええええ!?」
セレスはリリスによって発せられた木の根により貫かれた、と言うことはなくオートプロフェクションにより弾かれ強制転移された。
「ふん。小娘が」
「セレスもやられちゃったよ!!」
リリスがびっくりした顔のまま白い光に包まれるセレスを見ていると、先程からこそこそとしていた人物がもう一人わざわざ自分から出てきた。
「なんじゃ、おったのか」
リリスはやっと出てきたかとばかりにいじらしそうな笑みを浮かべる。
こちらもずっと隠れて機を狙っていたのだが、当初の予定が大きく変更になりたまらず出てきてしまったというところだろう。。
木の葉っぱの間から出てきた黄緑は保護色効果抜群だ。
魔力も見つからないように抑えていたのでリリスや教師ならともかく、普通の生徒から見つかることはないレベルではあったのだが。
「ぎゃああああ!!」
リリスの笑みを見て両手を上げて逃げるエルト。
あやつに隠密行動は無理じゃな。
「そろそろわしも攻めることにしようかの」
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