ボーイミーツティーチャーズ

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†† 「まだまだじゃの」 空中でのアナトリアの長距離放射とエルトの中距離風魔法の攻めは面白かったのじゃが。 わしが植物魔法以外を使うことを考慮していなかったのは甘い。 リリスの光魔法により強制転移するまでにはいかなかったものの、地に伏せるエルト、ラジア、ミーネ、そしてアナトリア。 アナトリアは遠くからこそこそとめんどくさかったから、引きずり出してやった。 さて 「30点じゃな」 地に伏すガキ共の頭に言い捨てる。 「えええええ!ストレージの時は『100点じゃ』って言ってくれたじゃん」 勢い良く起き上がり抗議してくるのはやはりエルト。 あの自動防御の装置があるから肉体的なダメージは殆どないようだ。 「あの時と今とでは基準が違う」 「そんなー!」 「うおおおお!!」 「お主ははしゃぎ過ぎじゃ」 伏せていたラジアが両手に雷を纏わせながら走り込んできたが、その体はすぐに地面からはえてきた木によって地面に張り付けられる。 「そう焦るな。折角こうして倒さずにいてやっておるんじゃ」 「何が目的ですの?」 木によりかかるアナトリアが顔についた土を拭いながら言う。 「そうじゃな。ここの教師はなかなかに優秀じゃ」 そう言うとほぼ同時だろうか、この辺り一帯に疎らではあるが20人もの新たな転移者の魔力を感じとった。 これに気付いたのはこの場ではリリスの他にはエルトだけだろう。 この中で広範囲の魔力探知ができるのはエルトだけだからだ。 「みんな、誰かいっぱい来るよ!?」 それが教師であることまでは頭が回らないのか、素っ頓狂な声を上げる。 「…マスターたち」 ミーネはエルトの様子からそのことにいち早く気付き、周りに気を回す。 狭い範囲でなら少しは魔力探知ができる。 だが、それは数mでの範囲。 わしの魔力を嗅ぎ付け餌に群がる獣のようにこの地点に向かってくる教師の存在に気付いているのは、まだエルトだけ。 しかし、エルトもその危機的状況をきちんと理解できておらずあたふたしている。 そうは言っても長いつき合いだ。 そんなエルトの状態に場の危険を察し、魔武器を手に手に立ち上がる面々。 ラジア以外。 「やれやれ、わしも甘くなったもんじゃな」 これがひとえに親心と言うものじゃろうか。 木を解除しラジアを解放する。 直ぐに体制を立て直し背を預け合う弟子達の姿は見ていてそう悪いものではなかった。 「第2ラウンドじゃ」
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