ボーイミーツティーチャーズ

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「よう」 一番乗りはレンだった。 制限のある魔力を節約しながらも驚異的な移動速度。 流石と言うべきか。 「出たああああああ!!」 「…マスター」 「相手にとって不足はありませんわね」 「今日は勝たせてもらう」 レンの姿を認め口々に緊張を強めるが当のレンはわしから目を離さない。 「あやつはとっくにリタイアしたのじゃが」 レンは零を探しているのであろうが、それが無駄足であったこと伝えてやる。 「知ってるよ。今日はお前に会いに来たんだ」 「なんと」 「リリとはやったことなかったからな」 「それもそうじゃな。いい機会じゃ」 「そうこなくっちゃな」 なんと楽しそうな顔をする奴じゃ。 「1万じゃ」 「何の話だ?」 「2万じゃったろう。お主らの魔力制限は。わしはその半分で十分じゃ」 「な、何をー!?ならオレは9000だ」 「5000」 「ぬぬ。4000!!」 「2000」 「そんな一気に下げるなよな!!」 「恐いか?」 「じゃあオレも2000だ。これで文句ないだろ!!」 「いいじゃろう。来い、小娘」 「泣きっ面見せても知らねぇからな!!」 問答の後、足に部分強化を施したレンが向かってくる。 無駄のないよい動きじゃ。 「オレを無視するなー!!」 そんな中、レンの前に立ちはだかろうとラジアが槍を片手に飛び出して来た。 「邪魔をしてはいけませんよ」 しかし、双剣を持った教師がその間に入りラジアをいとも容易く止める。 目を瞑ったままで。 「ご無沙汰してます。ルフナさん」 「そうだね。1年ぶりくらいかな?」 「申し訳ないですが今は世間話をするつもりはありません」 「僕では役者不足かい?」 「いえ、そういうことではなく今は…」 ルフナと鍔迫り合いをしながらもレンに対して異様な対抗心を燃やすラジアだが、その対抗心もすぐになくなる。 「″アイスガーデン″」 半径数mの範囲で森が凍り付く。 氷属性の上級魔法だ。 「ほう、綺麗じゃな。じゃが…」 凍らぬよう上空へと避けたリリスは八重歯を見せながら右手を挙げる。 「″ホットジュピター″」 「火属性と土属性の合成魔法か」 その右手の上に直径1m程の火の玉が出来上がり、凍った森を瞬く間に溶かしていく。 「2人共ちゃんと魔力量は2000を超えてないよ。まだ勝てそうかい?」 「…くっ!」
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