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「っで、今回の評価はいつ出るんだ?」
わざわざこんな大掛かりなことをしたんだ。
何かあるんだろう。
それに俺の評価についても気になるところだ。
「評価はもう出てるぜ。明日には発表されるはずだ」
「早いな。っで、俺の評価は?」
「ふふふ。知りたいか」
「もったいぶんなよ」
「はっはっはっ。評価は0~5の6段階で、零は2だ。リリは当然ながら5で、ルミアが3だ」
「ちょ、待て待て待て。俺が2て何ぞ!?2って真ん中やん。めっちゃ健闘しちゃってんじゃん」
「そうだな。始まりの1時間で半数近くが退場しちまったから、それを生き抜いた生徒は例外なく2以上だ」
「えー。おいリリ、お前の所為だぞぉ」
「そんなこと言われてものお」
そんな中途半端な評価はノーサンキューなんだよ。
せっかくの心躍るテンプレ展開をミスミス逃す手はない。
「レン、俺の評価は0にしてくれよ」
「いいぞー」
「マジか!?」
「マジだ」
快くOKが出てしまった。
「そんな軽くていいのかよ」
「いいんだよ。この検査の全権はオレが掌握してる。他の教師どもにはバレねぇよ」
「掌握ておい。まぁ、それなら助かったけどよ」
俺が言うのもなんだが、No.4でギルドマスターで王国皇女や騎士団長とラインがある教師とか、それはもうチートじゃね?
っで、学園長の友人、と。
はいはいチートチート。
「そんなことはもういいから今日はもう呑もうぜ」
早くも酔いが回りだし、顔が紅潮し出したレンが肩を組んでくる。
「いや、俺酒無理だし」
これはもう遺伝的なもので皮膚についただけでも赤くなるレベルの弱さだ。
分解酵素はないに等しい。
「それは昔の話だろお。魔力弾を素手で止めれるような奴が酒によええ訳がないだろ!!」
ジョッキを俺の顔に近付けてくる。
だが待てよ。
確かに、そういえば俺はこの身体になってからお酒の飲んだ記憶はない。
もしかしたら飲めるのかも。
「それもそうか!!」
俺は過去を切り捨て息巻くとジョッキの中身の黄金色のそれを一気に飲み干し……
「零、やめるのじゃ!!」
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