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リリが何やら慌てて止めに入ってくるが、すでにその半分以上は俺の体内に吸収された。
その感想は、
「…まじぃ」
飲める飲めない以前に、この苦い味が不味いことに変わりはなかった。
喉越しどうの以前だ。
あまりの不味さに何やら頭がくらくらして、身体が熱くなってきた。
「やってしまった」
リリは額に手を当てて呟くと、素早くソファの後ろに隠れてこそこそとこちらを伺う。
何やってんだあいつ。
「かわいいじゃねぇかああああ」
おいおい、お前のスペックでそんな小動物チックな行動されたら抱きつく以外にないだろ。
俺は全力でリリの後ろに回り込み持ち上げた。
「なぬ!?」
「な、なんて速さだ」
「えっ、何?」
レンとルミアが何やら驚いているがそんなことは気にとめる物でもない。
「まったくこのやろう。俺を籠絡してどうするつもりだ」
リリにお願いされれば何でもできる気がする。
こいつは世界でも欲しいのか?
「こら、じたばたするな。パンツが脱がせにくいだろ」
「何を言うておるのじゃ!!正気に戻らんか!!」
「おいおい。こんなとこで魔法使うのは危ないだろう?まったく、何にも知らないんだなぁこのやろう」
何を思ったのかリリが魔法を使おうとしたので、この部屋一体に破壊魔法をかけ、俺以外魔法が使えないようにした。
「ぬぬぬ」
「零、どうしたの?リーちゃん困ってるよ?」
「黙れ」
ルミアが俺とリリの間を裂こうと割り込んでくる。
お前には興味ないんだよ。
しかし、俺は優しいので光魔法の″ホーリーチェーン″とか何とか言うので縛るだけにする。
「ちょ、えっ!?」
何故だか天井が回っているように見えるが気の所為だろう。
「零、それくらいにしろよ」
「おいおいレン。そんなこと言ってもいいのか?」
レンも俺とリリの間を邪魔する。
リリは俺の手の中でじたばたしている。
「な、なんだよ?」
「いやぁまぁなんもぉないんだけどさぁ。はっはっはっ」
レンに何かどかんと一言言ってやろうと思ったけど、何も思い浮かばなかった。
楽しいなぁ。
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