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そこには新入生全員中の第1位から第20位までの生徒の名前と、このクラスの生徒の名前が評価の高い順で書かれていた。
「近くに来てもいいぞお」
黒板の半分を埋めるほどの大きさのそれは席に着いていても見れなくはないが、それでもほとんどの生徒はレンの言葉と共にわらわらと前へと集まった。
「ふぅ~ん」
すっかり陸の孤島となった俺とリリは席に座ったまま一喜一憂する生徒等を眺める。
「おっ、リリ見てみろよ。お前1位だぞ」
紙の下の方はクラスメート達の後頭部で見えないが、『リリス・エフェメリス』の名とその横の最高評価である『5』の数字はこの教室のどこからでも見えるだろう。
「当然じゃな」
当然と言えば当然なのだが、リリの表情から察するに嬉しいのだろう。
興味なさ気に外を見ながらも口角が上がるのを堪えられずにほっぺを手でぐにぐにしながら足をぱたぱたさせる幼女は最早犯罪だった。
「な、なんじゃその顔は」
「べぇつにぃ」
でかでかと書かれたリリの名前にこちらをちらちらと見てくるクラスメート達。
その位置からじゃこの姿は見えないだろうな、ざまぁwwwww
この机の汚れの件については許してやろう。
まぁ、それでも学年トップの幼女の後ろ姿に目を向ける生徒は後を絶たない。
俺が見られてるわけじゃないのに何だか照れるな。
と、リリと一緒になって外を見る俺なのだが、俺が生徒達から目をそらした途端、何故か俺の横顔に視線が刺さって来やがる。
いじめか?
俺がそちらに目を向けるとこちらを見ていた生徒は一斉に目をそらした。
そんなやり取りを数回したところで生徒の隙間から黒板に貼ってある紙の下の方が見えた。
そこには丁度俺の名前が。
名前の横には『0』の数字。
そう言うことか。
見たところこのクラスで『0』評価の生徒は俺以外にいないようだ。
『0』 はよっぽど悪いらしい。
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