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「全員自分の点数は把握したかあ」
空気が固まったのを見計らってかレンが声を上げる。
それにより生徒の興味も俺から離れ再びレンへと向けられた。
ここに来てレンの有能さに感心する。
「おーし、それじゃあよく聞け。今から待ちに待ったスカッドを作ってもらう」
…スカッド?
何だっけそれ?
確か俺、絶対記憶能力とやらを持ってた筈なんだけどなぁ。
レンがそう言うと他の生徒らは楽しそうに歓声を上げた。
俺とリリは置いてけぼりだ。
「話は最後まで聞けえ」
騒がしくなり始めた教室が再び静まる。
「これも例年とは違う新しいルールで不満も出るだろうがとりあえずは従え。人数は5人だ。これは例年と変わらない。重要なのは次だ。17点以下だ。合わせた点数が17点以下になるようにスカッドを作れ。このルールは実験的なものだから今後変わる可能性もある。スカッドの再編成も申請があれば不可能じゃねえ。だから今はつべこべ言わずにスカッド作ってオレのとこまで来い。
あと先に言っとくが、今回のこの点数はあくまでスカッドを作るためのおおまかな基準であって、個々の優劣をつけるのが目的じゃねえ。オレから言わせればお1も5も大して変わんねえからそこを履き違えんな。以上だ」
あぁ、スカッドって所謂班みたいなものね。
前にレンとライが同じスカッドだったぁみたいな話を聞いた気がする。
っで、奴らみたいな強い奴らが集まりすぎるとパワーバランス半端ないから、今年からその処置として制限をかけてみようとかそんな所か。
レンの説明が終わると生徒らは戸惑いながらも指折り数えながら周りの友人とスカッドを作り始めた。
俺はえぇっと、ルミアが3点だから…5+3+0=8
首を伸ばすとルミアの名前もすぐ見つかった。
俺0とか戦力外通告wwww
いてもいなくても変わんないwwww
後9点余ってるがそれはいいだろう。
「リリ聞いてたか?」
「んあ?」
窓の冊子に寄りかかりひなたぼっこをしていたレベル5の幼女はうとうとしていたらしくそんな素っ頓狂な声を上げる。
あぁ、かあいいなぁー。
お持ち帰り確定だよこれは。
ルミアいらねぇ。
とか言ってるそばからルミアが来たよ。
「零!!そんなに机に寄りかかったらせっかくの制服が汚れちゃうよ」
何故かひとりで勝手にシリアスモード突入だよこの人。
そう言えば俺の机、滅茶苦茶汚かったな。
気付けば制服がでろでろだ。
これは流石にレンにバレると面倒だな。
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