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「あ、あのっ!!」
そんな俺たちの後ろから突然声がかかった。
振り返るとそこにはオレンジ色があった。
「ん?」
「きゃるる~んさん!!アイとスカッドになってくださいです!!」
それは入学式のときに校門前で俺が吹き飛ばした女の子だった。
名前は確か…アイロ、だったっけな。
「きゃるる~んさん?」
「ぐぐっ!!お主はあの時の」
アイロの言ったことを思わずオウム返ししてしまう。
どうやらこの子の目的はリリみたいだ。
アイロはリリの両手を掴んで振っている。
リリは苦虫でも噛んだかのような顔でアイロと向き合っている。
「?」
リリを質問責めにしたいのは山々なんだがそれを抑えてリリに目を合わせて説明を促すに留める。
「昨日の検査でお主が寝てる間に会ったんじゃよ」
ほう。
こいつがこんなタイプの違う子とねぇ。
「あなたはあのときおひるねされてた…にゅうがくしきの日にお会いしましたです。えーと」「零じゃ」「そう、及川零さん!!」
「…」
俺は軽く会釈だけすると顔をそらした。
「え…えっと、アイは何かわるいことをしてしまいましたです?」
そんな俺の態度に何を思ったのか泣きそうになるアイロ。
ちょっ、止めろよ。
そんなの反則だろ常考。
「こやつのことは気にせんでよい」
気にしろよ。
「それで、何の話じゃったか?」
「あ、はい!!スカッドです!!アイはまだきゃるる~んさんしかおともだちがいなくてこまっているです!!ぜひアイとスカッドをくんでくださいです!!」
そういう話か。
俺達は戦力外通告の俺がいるおかげで点数は15点で2点空いてるものの、人数はもう5人だぞ?
リリはどうするつもりなのか。
「無理じゃな」
リリさんばっさりだー。
とりつく島すら与えない系幼女だー。
「えええええ!!」
アイロも両手を上げて驚いている。
しかし、その顔も次第に俯き泣きそうな表情になる。
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