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「(ルミちゃーん、ずっと思ってたんだけどさ、ルミちゃんってなんでこんな奴と仲いいの?)」
ひそひそ話のつもりなんだろうが、普通に聞こえてるからな?
「そ、そう?仲…いいかな?」
お前はそこで照れるな。
「(普通、こんな奴がルミちゃんに近付いたら騎士長さんが黙ってないでしょー。それに1年前にはエフェメリス様とは一緒にいなかったし、話にも出てこなかったじゃん。何なのあいつ?)」
やっべぇ、これが女子って奴か。
陰口が陰じゃねぇぞ。
「え、えっと零とはね。マスターを通じて知り合ったの。聞いたことあるでしょ?マスターが弟子を取ったって」
「あー、あの一時凄い騒がれてたあれね。それがあいつなの?」
「ま、まーそんな感じかな、かな?」
「ふ~ん」
「弟子って言っても倒れてた零をマスターが拾って保護者になったってとこだから、どっちかって言うと弟とか息子の方が近いかも知れない」
「ふ~ん」
ルミアナイスだ。
設定通りの完璧な言い訳だ。
これならレンの度々していた奇行にも説明がつく。
というか、前を歩く残りのメンバーもしっかり聞き耳立てて聞いてるし。
まぁ、これで俺への質問責めは免れただろう。
「だよね?零」
最後に何故俺に振るし。
「…」プイ
とりあえずそっぽ向いとこう。
「なんだーその態度はー!!」
黄緑煩いなおい。
「喧しい」
「ひっ!?」
そこでリリの助け舟だ。
使えるパートナーを持ったもんだ。
黄緑はリリの不機嫌そうな声に飛び上がりルミアの陰に隠れながら歩く。
「ふん」
リリはそんな黄緑の姿を一瞥すると俺の顔を見て鼻で笑った。
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