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「…」クイクイ
しょうがないので俺は顎で魔石を貰うように指示する。
「折角なんだから、ねー」
「ねー、です。そうですよリリスちゃん」
「む~」
リリは唸りながらも渋々ロイドから受けとる。
ロイド含め魔武器持ちグループがそんなリリの不機嫌顔に若干の身構えをしていることに気付いているのは俺とリリだけだろう。
「お前も、ほら」
「?…っ」
そしてロイドは俺にまでも魔石を放り投げた。
「魔武器、持ってるのか?」
あぁ、これは持ってない方向の方が良さげだな。
「…いや」
しょうがないから3つ目を創ることにする。
前の2つは魔石使ってないし。
「じゃあ行くよー!!」
全員に魔石が行き渡ったのを確認してルミアが再び魔法陣の上へと戻る。
そして魔石と魔法陣に魔力を流し込んだ。
先程のレンの時と同じ様に魔法陣が光りルミアの姿が見えなくなる。
周りを見ると他の場所でも光が上がっていた。
幻想的な光は10秒程度であっさりと収まり、その光の中からは当然ルミアが出てきた。
黙ったままその手に持つものを見ている様だ。
その表情は下を向いているで正確には見えないが口角が緩みきっているのは確かだろう。
肩が震えている様に見えるが、それが喜びや感激から来るものなのは誰が見ても一目瞭然だ。
それだけ自分の魔武器が嬉しいのだろう。
「ルミちゃーん」
黄緑の呼び掛けに我に返ったとばかりにこちらを向くルミアは右手のそれを上げてこちれらへ駆け出した。
それは長さ1m強程、白を基調とした細い片手剣だった。「やったよー!!」
早く自慢したいとばかりに走るルミア。
いやいや、俺じゃなくてあいつらのところに行けよ。
「へー、片手剣か」
「今までも片手剣だったしよかったね」
「…綺麗」
一直線に俺の方へと向かってきたルミアだが、その前にパステル共に囲まれる。
やれやれだぜ。
コメントは黄緑、白、ミーネたんの順だ。
「うん。うちは剣って決まってるから、長剣になるんじゃないかって少し不安だったんだ」
「ルミちゃんは魔法と剣技どっちも得意だもんね。名前はなんて言うの?」
「名前はアロンダイト。能力とかはまだよくわかんないけど、うん。凄いしっくりくる感じ」
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