ボーイミーツエンジェル

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ルミアは嬉しそうに魔武器アロンダイトを抱き締めるとぐるぐると回る。 「次はアイロちゃん行こ!!」 「は、はいです!!」 その勢いでアイロと片手でハイタッチした。 アイロも少し顔を強ばらせながらも力強くジャンプして答える。 「魔法陣は描ける?」 幼さに心配したのだろう、白いのが少し屈んでアイロに尋ねる。 「ばっちりなのです!!こういうことはたくさんおべんきょうしました!!」 そう自信たっぷりに答えたアイロは手近な木の棒を拾うと両手を使って描き始めた。 「うんしょ…うんしょ」 見ているこっちがハラハラしてくるが、そんな心配を余所にアイロはほんの数分で魔法陣を完成させた。 「ちょっと小さくない?」 黄緑が誰も触れなかったことを空気も読まずに聞く。 「そ、そうでしょうか!?」 アイロは先程までの自信たっぷりな顔が一転、雨に濡れた犬みたいな不安そうな顔になる。 「エルちゃん」 そんなアイロを見てルミアが黄緑を怒る。 「だ、大丈夫でショ?うん、問題ないよヨクデキテルヨー」 それにより黄緑がアイロにフォローを入れるがわざとらしすぎる。 「そうでしょうか!!」 しかし、そんなことには気づかず勢いよく顔を上げるアイロ。「うんうん、頑張って」 「大丈夫。やればできるよ」 それに乗っかるルミアと白。 「やってやるです!!」 そして、再びやる気になるアイロ。 なんとも扱いやすくて心配な子だ。 アイロは魔石をしっかりと握るとその直径50cm程の魔法陣の上にちょこんと立った 「いくです!!」 アイロがそう意気込むとルミアの時と同様に白い光が登る。 それから3分程、ルミアより少し時間が掛かったように思ったが、満面の笑みのアイロが出てきた。 「できたです!!」 そして両手に持つのは… いや、持つ言うと語弊があるな。 アイロはコスプレばりのアーマーを装備していた。 そう言うのが一番適切だろう。 主な関節、脇、腹の空いた所謂エロい鎧。 先程まで着ていた服はどこへやら、見ていてこちらが恥ずかしくなりそうな格好であるのだが、この世界的にはセーフらしい。 「わーすごーい!!」 「やったでーす」 ルミアが自分の時よりもテンション高いんじゃないかというくらいにアイロの手を握りながら飛び跳ねる。 アイロもそれに合わせてジャンプする。 「アーマー型とはおチビもなかなかやりますな」 そんなアイロを見て黄緑は髭もないのに顎を擦りニヤニヤしている。
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