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「へぇ、アーマー型なんて珍しいな」
「雰囲気はガーターさんに似てるね」
その横で白とロイドが一丁前に評価している。
「次はリーちゃんやる?」
アイロがひとしきりアーマーを御披露目し元の制服に戻すと、ルミアがクルッとこちらへ振り返りリリに勧める。
「ん~」
しかしリリは何やら渋っているのか腕を組んで唸っている。
「ルミちゃん、危ないよ」
そんなリリを見て黄緑がルミアに耳打ちする。
普通にこちらまで聞こえてるけどな。
さっきから傍観していた奴らも同意見なのか少し切迫した目で黄緑とルミアのやりとりを見ている。
「作らないのか?」
長年魔武器を作らなかった理由については俺も知らないし、興味があったので小声でリリに尋ねる。
「そうじゃなぁ。いい機会じゃろうか」
何かこだわりがある訳でもないらしく、揺らぐリリ。
「どーしたのリーちゃん!!はーやーくー」
悩んでいる間にルミアに手を引かれ連れて行かれた。
「ル、ルミちゃん!?」
「絶対作った方がいいよ!!魔法陣は描ける?」
ルミアに怖いものはない様だ。
「んー、やれやれ。…そうじゃな」
決心が着いたか。
リリはルミアから離れると持っていた魔石を両手に目を瞑る。
「あれ?魔法陣は?」
「そんなものは必要ない」
リリはそう言うと魔力を魔石に込めつつ地面に魔法陣を展開させる。
それは先程のルミアやアイロとは比べ物にならないほど強く光を発し、直視出来ないほどだった。
俺は出来るけどさ。
それにあれどうやってやるんだろ。
創造魔法を使えば特に難しくもなく出来るが、それを使わずに行うにはどんな風にすればいいのかはわからない。
「うわーすごーい!!」
「すごいですー!!」
ルミアとアイロはそんなリリを見て手をかざしながら飛び跳ねはしゃぐが、その他は複雑そうな顔だ。
そしてそんなリリに注目しているのは俺達だけではなかった。
その光、魔力にそれはもう他のクラスメートから別のクラスの生徒、レン含めたグラウンド内外にいる殆どの教師が目を引かれ、最早学園全体が見守っていると言っても過言ではない。
そんな状況ができあがっていた。
しかし、そんなリリの魔武器精製はほんの十秒程度で終わった。
人によって個人差が大きい様だ。
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