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「おーし、これで全員魔武器召喚は終わったなー。 そんじゃー今からファミリアの召喚するぞー 」
アッシュたんを肩に乗せたレンが周りに集まっている生徒をぐるりと見渡して声をかける。
俺の魔武器については適当に失敗したことにしておいて、さっさと次のファミリア召喚をすることになった。
「あー、ファミリアは知っての通り今後お前等の使い魔として一生を共にする大事なパートナーだ。優劣に意味はないからわきまえろよー」
まるで教師のようにまともな説明をするレン。
それでアッシュたんか、と気付いたがそこで一つ引っかかった。
「ここでオレのファミリアを出してやってもいいんだが、何分あいつは荒っぽいし邪魔だからな。今日はこいつを連れてきた」
レンはそう言い肩に乗っているアッシュたんに目をやる。
「にゃにゃー(こんなサービス、めったにしないんだからね)」
レンのファミリアを今まで見たことがないと思っていたが、理由がちゃんとあるようだ。
「マチルダ様、それは?」
一人の生徒がレンに質問する。
白だ。
「ユミル、様はやめろ。オレは教師だ。マチルダ先生と呼べ。それとこいつは初日に見た者は覚えているだろうがそいつのファミリアのアッシュだ」
様という敬称をむず痒そうに訂正しながら俺を指差すレン。
っておい。
薄々わかっていたが、ここで俺の注目度を上げなくてもいいだろ。
「やはり」
顎に手を当て意味深な顔をする白。
他生徒も俺が既にファミリア契約をしていることに対してか、アッシュたんをファミリアとしていることに対してか、どちらにしろあまりよろしくない視線を送って来る。
「にゃ」
そんな視線の中、アッシュたんはレンの肩から跳躍して俺の肩へと飛び移って来た。
「はぁ」
自然と溜め息が洩れる。
「にゃー(何よ?)」
「別に」
「この様にファミリア契約することによって魔物や精霊といった普段は意思疎通もままならない者とのコミュニケーションも取れ、場合によって今のように会話することもできるわけだ」
謀ったな!?
レンの説明により、俺に対し純粋に賞賛する者は少なく、ほとんどが嫉妬であることをレンがわかるはずもない。
明日は席なくなっちゃうだろうなぁ。
「やり方については~」
レンがファミリアの召喚の仕方について説明を始めたので、俺は一歩引き少し離れたところから眺めることにする。
「はぁあ」
「にゃー(ホント何なのよ辛気臭い顔しちゃって)」
「なんでもありませんよー」
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