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皆が見守る中、宙に浮く光の玉が動きを見せる。
まるで蕾が花開くように光の玉は開きその中から仰々しく現れたのは、
「ワタシを召喚したのは貴方ですか?」
どこか見覚えのあるようなないような女性の天使だった。
光の玉はその天使の翼だったようで開いた後も煌々と当たりを照らし、余計に人目を引く。
これは白的にはセーフなのか?
凄い注目浴びてるけど。
「ああ、おれはユミル。あなたをファミリアにしたく召喚させてもらった」
白いのはあれの正体を知っているのだろうか?
偉そうに手なんか広げながらふよふよ浮いてる天使に物怖じすることなく白は話しかける。
「私をファミリアに?面白い冗談を仰いますね」
「冗談ではないっ…ありません」
「はぁ。貴方、ワタシが誰なのかわかって言っているのですか?ワタシは熾天使セラフィム」
セラさんだった。
俺がおちょっくって気を失わせてからは会っていないから、もし今見つかったらこっちに矛先が向いてしまうかも知れない。
大人しくして気配を消さなければ。
「おい、天使だってよ」
「熾天使セラフィムって言ったら大天使じゃないか?」
「あの白髪何者だよ」
「なんと神々しいお姿」
「もう私死んでもいい」
天使の存在に気付いた生徒達がざわめき始めた。
「ワタシは自分より劣る者に下るつもりはありません。諦めて下さい」
しかし、セラさんはそんなことはまったく気にせず話を進める。
「待ってくれ!!確かにおれはあなたよりも弱いかも知れない。けど、おれにはあなたが必要なんだ!!」
諦めればいいものを。
ねちっこく粘着する白。
お前、一応ギルド最強謳ってんだからもういいじゃん。
「必要、とは?」
「今のおれでは皆を守りきれない」
何からだよ。
お前、どんな秘密組織と戦ってんだよ。
「守れない、ですか……」
「………」
その言葉を聞きじっと白の目を見つめるセラさん。
「よいでしょう」
セラさんは目線をずらし、ざっと周りを見渡すと少し頬をゆるめて告げる。
「この場にいる全員でかかってきなさい。ワタシの膝を地面につけられたら貴方を認めましょう」
リリの結界やスタンバイしたパステル共を見て流れを察したのだろう。
俺のことにはまだ気付いていないみたいで安心だ。
「ありがとうございます!!」
元気よく返事をした白は周りに目を向ける。
「皆、お願いできるか?」
『当たり前だ(よ)(です)」
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