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レンの野郎、初めからこうなった場合に俺を使うために多少危険でも業後じゃなくて俺のいる授業中を狙いやがったな。
とりあえず
「″ザ・ワールド″」
時間を止めておく。
「さぁ、どうしてくれようか」
俺はルフナが本当に止まっているかどうかを若干どぎまぎしながら覗き込んで確認してからセラさんに近付く。
上空50m
適当に重力を操って同じ高さにまで飛ぶと、ちゃんと止まっているかどうか確認する。
そこで俺は面白いことを思い付いた。
セラさんの背後に展開されている空いっぱいの魔法陣を破壊魔法で見た目はそのままに無効化する。
その後、セラさんに何かするわけでもなく時間を止めた時にいた位置まで戻る。
「か~いじょ」
「さぁ、防いで見なさっ!?……えっ??あれちょ、なんで?」
「うおおおおおおお!!」
時間が動き出すとセラさんは展開していた魔法陣が発動しないことに気付き慌てふためく。
しかしそんなこととは露知らず、白は最上級魔法の光線を放った。
「ってきゃっ!?…危なかった。それよりも何故?え?魔法陣が発動しなかった?」
間一髪のところで光線を避けたセラさんは額の冷や汗を拭きながらきょろきょろとする。
避けられた光線は最早ただの魔法壁と化している魔法陣を貫き、粉々に吹き飛ばした。
「うおおっ、すげー」
「なんだ今の?」
「あいつってユミルとか言う目立たない奴だよな?」
「大天使を押してるよ」
「あんな凄い魔法初めて見た」
「なんだか気持ち悪くなってきた」
そして周りにいる生徒達がやっと事態に追い付いてきた。
「しまった。ユミルの正体が」
「こんな事態ですしょうがないですわ」
「……魔法陣が消えた」
「さっすがユミル~」
「あいつがあの魔法陣をかき消したのか?」
「零、何かしたの?」
面々も突然の事態に混乱しているみたいだ。
「いんや、今回は俺の出番はなさそうだな。巻き込まれる前に早く生徒を避難させようぜ」
駆け寄ってきたルミアにそう言うと、白と天使の戦闘に釘付けの生徒達を指差す。
中には白とセラさんの魔力に当てられて調子を崩している者もいるみたいだ。
「そ、そうね。…もしかしてユミルって凄く強いの?」
「あいつがNO,1だ」
「えええええ!?ユミルがNO,1なのー!!」
「おい、聞いたかよ」
「あのユミルがNO,1らしいぞ」
計画通りだ。
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