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「まだ終わってない」
みんな凱旋気分の中、白だけ未だに険しい顔をしてセラさんへと近付いていく。
「おれのファミリアになってくれるか?」
「くっ、嫌よ」
ぼろぼろになった翼をばたつかせながら起き上がるセラさんは、それでもなお認めていないようだ。
「確かに貴方は強いみたいだけど、ワタシはもう心に決めた人がいるの」
立ち上がったセラさんはその場で一度回るとその体を緑色の光が包み、あっという間にその傷を元通り治した。
「心に決めた…人?」
「そうです。貴方程度では到底足元にも及ばないような強い方何ですから」
あの天使、何を言ってるんだ?
「その名は及かW「はいストップ!!」」
この野郎何を口走ろうとしてやがんだよ。
ギリギリのところで止められてよかった。
口を開けてよからぬことを発音しようする天使の背後まで行くと、その肩に触れる。
「わ零様です!!魂に刻みつけ、な…さい……あれ?」
「おい」
「時間が…止まってる?」
「おい!!」
「えっ!?その声は、まさか…」
「まさか、なんだよ?馬鹿天使」
「零様!!」
「ちょ、ごめんわけわかんねぇ。とりあえず離れろ」
いつぞやか、俺を串刺しにしやがった天使は何をとち狂ったのか俺に抱きついてきた。
「そんな、あんなに愛し合った仲ではないですか」
「は?何言ってんの?」
あまりに意味の分からない言葉にテンパって語尾が上がってしまう。
「あんなことを言われたのも抱き締められたのも初めてでした。ワタシは大天使ですから、女性としての扱いを受けることなんて想像すらしていなかったのに」
なんか語り出したよ。
抱き締めたってあの時のことを言ってるのか?
「自分の胸があんなに高鳴るなんて初めて知りました。そう、貴方はワタシの初めてを奪ったんです。ですから責任をとるべきなんです」
「………」
「それをあんな訳の分からない白いのに邪魔されるなんて、許せません!!」
「……アホか!!」
「ええっ!?どうしたんですか零様??」
「どうしたもこうしたもねぇよ!!別に俺はお前なんて愛してねぇしあれはただおちょくっただけだ」
こんな絶世の美女じゃ役不足レベルの天使なんかに突然求婚されて平静なんて保てるか!!
何やら勘違いをしてるみたいだが、なんとかこの誤解を解かないと俺の異世界ライフがのこいつにめちゃくちゃにされてしまう。
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