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「おちょくっていた!?」
俺の言葉を素っ頓狂な声でオウム返しするセラさん。
よかった。
話は聞いてくれてるみたいだ。
「おおそうだ。だからセラさんのそれは勘違いなんだよ」
「……勘違い」
俺の言葉にスッとテンションを下げ落ち着くセラさん。
「ですからセラさんは大人しく帰りましょう」
「………」
「考え直して下さい。セラさんには神がいるじゃないですか」
「神!?あんなと一緒になんてなりたくありません!!何が悲しくてあんな変態オヤジの下で。それに……それにワタシの気持ちに零様の気持ちは関係ないじゃないですか!!」
「えー」
天使のくせにそんなに神が嫌いなのか。
それにいいこと思いついたみたいな顔してんじゃねぇよ。
「ですからワタシは零様の下で働きたいのです。ワタシをファミリアにして下さい」
「えっ、無理」
「何故ですか!?」
「いや、俺もうファミリアいるし」
「ワタシを差し置いてファミリアが!?どこですかそのファミリアは?」
「おいおい俺の大事なファミリアをどうする気だよ」
「立場の違いを教授して差し上げます」
「そして?」
「清め滅ぼします」
「それ死んでるから!!」
「それは相手の出方によります」
「笑顔が笑顔じゃない!?」
これはどこのコントだよ。
話があらぬ方向へと向かっている。
これはもう呼ぶしかないか。
「アッシュたん。お前は止まってないだろ?」
「アッシュたん?」
「にゃー(バレてたか)」
俺が呼ぶとチリーンと澄んだベルの音とともにやれやれと言った顔のアッシュたんが生徒達の足下を縫って出て来た。
その嫌そうな顔を見る限り、やはり顔見知りなのだろう。
二人の関係が気になるところだな。
「マリス?これが零様のファミリアですか?」
「アッシュたんだ」
「にゃー(零)」
「この程度の下級魔物風情が………零様退いて下さいそいつ殺せません」
「にゃー(零!!)」
「わかったわかった。存分に久々の再開を楽しむといいさ」
「久々の再開?」
首を傾げるセラさんを横目に俺は威嚇してくるアッシュたんを持ち上げその首のベルトを外した。
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