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「話が進みそうにないから今はちょっと落ち着こうか」
「しかし零様」
「あたしは別に落ち着き払ってるしー、おばさんが一人で興奮してるだけ」
「貴方はまたっ」
「アッシュ!!」
「わ、わかったわよ」
さてさてこれからこの大天使様をどうしようか。
「うーん………セラさんさぁ、天界に帰る?」
「か、帰りません!!ワタシは零様のお側にいたいのです」
「えー。じゃあさ、やっぱりそこの白いののファミリアになれば?」
「えええ!?」
「いやだってさ、俺はもうアッシュたんいるし。この世界にいたいなら誰かのファミリアになるしかないでしょ?それとも帰る?」
「いえ、それは……」
「はいはいけってーい。じゃあちょっと待っててねぇ」
「えっ、ちょっと待って下さい」
「えーと」
あたふたするセラさんをよそに俺はケータイを取り出して電話画面を出す。
「あーもしもし、俺俺。そう俺だけど、今さー……そうそうそれ。たっく、こうなるのは構わんが、わかってんならわかってるで教えろよ」
「いやまぁ、そうだけどさ。お前なりに色々考えてんだな。いいだろう」
「おう。それでセラさんなんだけど貰っていいの?」
「えっ、それはまさか。貰うって」
「おぉ、ありがと。じゃなー。…おし!!」
「おし!!じゃないですよ!!貰うってどういうことですか!?」
「まぁまぁ。今からセラさんにはあの白いののファミリアとして頑張ってもらいます」
「えっ、嫌ですよ。なんで私が…」
「ピーリカピリララポポリナペーペルト。マルスになーれ」
「いやっ、何?何ですか?」
俺の魔法の呪文によりセラさんの周りを紫色の光が漂い、埋め尽くしていく。
そしてその光が一際強くなりセラさんの姿を覆い隠した次の時には、そこには純白の猫が佇んでいた。
そしてすぐに狼狽える。
「にゃにゃ!?」
自分の身体をきょろきょろと見て両手で顔をムニムニと揉む。
「にゃんということを……にゃ?」
そしてふよふよと漂う3本の白い尻尾に気付いたセラさん()はその尻尾を追いかけくるくると回りだした。
ひとしきり回ったセラさん()は息を荒げながらこちらに向かって飛びかかって来た。
「今すぐ戻して下さい!!」
「だが断る」
ジャンプして来たセラさん()の首根っこを掴むと左手を背中の下に入れて赤ん坊でも抱き抱えるように持ち直した。
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