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「ベルトですか?」
未だ俺の腕の中にいるセラさんは何を狙っているのか可愛く小首を傾げてくる。
「おう。アッシュたんの首にもついてるあれ。アッシュたんは黒だしセラさんは赤にしようか」
俺はセラさんを下に下すとでベルトを創り出す。
そしてそれをしゃがんでセラさんに着けた。
「まぁ、俺からの細やかなプレゼントってとこだな」
「零様からのプレゼント……嬉しいです!!ありがとうございます!!」
とは言ってもこのベルトは一応封印目的ってことになってるからなんか騙してるみたいで心苦しいな。
いや、苦しくないな。
けど天使は俺からしてもイレギュラーだから、保険は掛けとくに越したことはないだろう。
それと、
「様、って言うのはやめてくれないか?」
「にゃ故ですか?」
「天使のお前が俺と繋がってる。ましてや敬ってるとなると色々と面倒だろ?」
それに照れるし。
「ではなんと呼べば?」
「普通に零でいいよ」
「わかりました。れ、れれ零!!………あの…それでは、ワタシも一つお願いしてもよろしいでしょうか?」
「おう。なんだ?」
「ワタシのこともセラと呼び捨てで呼んで下さい」
「あ?あぁ、そういえばさん付けだったっけ。デフォルトで気にしてなかったわ。それじゃあこれからよろしくな、セラ!!」
天使のままの姿だと若干気圧される感じはあったが、この姿にしてしまえばまったく問題ないな。
「は、はい!!」
嬉しそうに返事してくれるセラさっ…セラを見て顔が綻ぶ。
「きっも」
「うっせ。ほんじゃあ俺とアッシュたんは時間を止める前の位置に戻るから、時間が動き出したらセラ適当によろしくね」
セラに微笑みかける俺を見て毒を吐くアッシュたんを手で移動するように払う。
しかし隠しきれないブラックスマイルを見てアッシュたんも楽しそうに生徒の人混みに消えていく。
「え!?ええ!!ちょっ、ちょっと待ってください。適当にって」
「まぁまぁ。一応戻った瞬間にセラを中心にどぎついフラッシュ焚いとくから。後、声は俺とアッシュたん、後そこの白いのにしか通じないから。がーんば」
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