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「にゃー(少し黙っていなさい)」
「2人とも逃げろ!!」
「「え?…ぎゃああああ!!」」
白の忠告も虚しくセラの神経を逆撫でた紫と茶色に雷が落ち、2人はプスプスと煙を立てながら倒れた。
これで死んでもおかしくねぇぞ。
「大丈夫か!!」
「にゃあ、にゃにゃー(手加減はしました。あまり騒がないで下さい苛々します)」
「はい!!」
「にゃにゃー(よろしい。ではこれを以てファミリア誓約とします)」
完全に主従関係が逆になっているセラが白の目の前に一つの指輪を出現させる。
白は一度礼をするとその指輪を掴み右手の中指に付けた。
どうやらこれでセラとの誓約が完了したみたいだ。
「これからよろしくお願いします」
「…にゃ(そうですね)」
無理矢理感は否めないが、何とか白を納得させてることができたセラは用は済んだとばかりに白に背を向け歩き出す。
しかし、そんなセラを白がただ見送るわけもない。
「待って下さい!!」
「…にゃ(何ですか)?」
首だけこちらに曲げてめんどくさそうに応答するセラ。
「何故突然その様な姿になったのですか?」
「……にゃにゃ。にゃあ(……あ、あの姿では貴方の魔力量でも私を長く召喚していることはできません。それに周りへの影響が大き過ぎますわかりますか低脳)」
戸惑いつつも後付け設定にしてはもっともらしい言い訳をつらつらと述べるセラ。
首の向きを戻し、再び歩き始める。
「そ、そうですねすいません。では最後に、セラフィム様が慕ってらっしゃるという人間とは?」
「ふにゃ!?」
毛を逆立てて完全に停止するセラ。
その反応に何かを考え始める白。
「……あの」
「ふしゃー!!(何でもありません忘れなさい)」
「うおっ」
完全にキャラ崩壊したセラは光の矢を放つと走ってどこかへ行ってしまった。
白は咄嗟に魔法陣を張り光の矢をガードをすると、阿呆みたいに口を開けながらその白い3本の尻尾を見送った。
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