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明「父さん父さんって……
あの人が何をしてくれたっていうんだ!
たまに花札やってくれたくらいじゃないか!」
九条「ねーちゃん追わなくていいのか?」
明「知りませんよ…
自分で決めて行ったんだから。
………姉上もやっぱり父上と同じだ。
父上も義理とか人情とか言ってるお人好しで、そこをつけこまれて友人に借金しょいこまされてのたれ死んだ。
みんな不器用過ぎますよ…
僕は綺麗事だけ並べて死ぬのは真っ平ですよ……」
「゙親が大事にしてたものを護るのに理由なんているの?゙」
だが明は日出子が言った一言が耳から離れなかった。
九条は黒松が置いていった店のチラシを眺めている。
明「姉上や父上とは違う。
僕はもっと器用に生きてやるんだ。」
九条「そうかい……でも、俺にはお前が器用にはとても見えねーがな…」
明はうつむいていた。
目にはうっすらと涙を浮かばせて。
九条「理屈なんていらないさ。
そこに護りたいものがあるなら刀を抜けばいい。」
九条は立ち上がり、明をじっと見た。
九条「ねーちゃんは好きか?」
コクりと明は頷いた。
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