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「そうだね、僕も前例がないから難しいことは分からない。だけど彼が実際にそうやってここに来たのなら、それは真実だと言えるよ」
あくまでも彼が嘘をついていなければ、だけどね、と付け足して、キュゥべぇはさらに上条の頭の上に飛び乗る。
「まぁ、嘘でなければ彼は宿無しってことになるね。そうだろう?」
「うっ……まぁ、そうだな」
ピンポイントでキュゥべぇにつかれてしまい、上条は言葉を失う。
先に言ってもらえたのは助かるが、やはり年頃の男子が女の子の家に寝泊まりするのは非常にマズい。
さらに上条は日頃から培ってきた(?)センサーによって不幸を感じ取っていた。
この中の誰かの家に泊まるとなれば、いろいろと不幸な目に会うのだろう、そう直感的に分かってしまうのである。
しかし現実は残酷かな、そんな彼を置いて話は進んでしまう。
「本当ですか? じゃあどこか住む場所が必要だね……」
「あたしは……親がうるさそう。キツいかなぁ」
「私は大丈夫かもだけど部屋が足りないよ……」
「私、マンションに一人暮らしだから大丈夫よ?」
「本当ですかマミさん!」
「さっすが先輩、やるぅ!」
3人でワイワイとやっている外で、上条はただただ見ているしかできなかった。
「もしかして……僕は余計なことを言っちゃったかな?」
「いや、余計ではなかったんだが……なんというか、うん……」
笑うしかない。不幸とさえ言う余裕もなくなってしまった上条の上で、キュゥべぇは首を傾げた。
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