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連れ込まれた?のは音楽室一番奥で防音は成されてるはず…
「……で?」
『………で、と申しますと?』
「…はは、ってわかんねーの?」
『…』
あなたには分かりますか?
やや激しく椅子を引いてゆずを座らせた廣瀬はしゃがんでゆずに影を落とす
ジッと見つめあうこと数秒
「中谷、お前もギャップにヤられるくち?」
『……』
「…いつもと違う俺に戸惑ってる」
(あっ…当たり前でしょー)
「やっぱり、そんな女?ちょっとおだてられたらその気になって…髪切って…誰に…」
前言撤回!!
『アンタには関係ないじゃない!!』
眉を寄せ立ち上がるとアゴを上向かせ顔を近付ける
「…アンタ…じゃない…言わなかったっけ?」
『っ!!……い…痛いよ…は…離して…』
「ねぇ…」
『た…拓二……』
「…またその減らず口塞いで欲しいのかと思った」
『…』
「俺ね…結構中学の時モテたの」
(ええ!ええ!話さなければ普通にモテるでしょーよ!)
「でも…一度付き合った女が居て…」
『……』
静かに…聞き取りやすい口調で拓二が語りだした
その時はありのままの俺がいた…だけどそれが逆に物足りない…好きな女には冷たくて他には優しく接する俺が嫌だって
けど皮肉な事にそんな真逆の俺が好きだと、勝手言う女も居て
上辺だけその望み通りしてやると満足する女が溢れたコイツらに本気なんてどこにもねーのに
「俺の事を、意地悪。と嬉しそうに言う女に嫌気がさした」
『……』
「苛めて楽しいのは好きな女だから…」
俺の言葉に笑ったり、恥ずかしくて俯いたり…時に逃げ出そうとする姿
そうかと思えば、真っ直ぐ俺を見据えて
「アンタと…ぬかすお前」
『……』
「俺の…本性見せるのお前に決めた…何か文句ありますか?“中谷さん”」
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