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知恵実さんにもらったクッキーの袋を手に持ち、ひ~さんの部屋に入ると心が落ち着く
「自分の部屋より和む~」
「物を片せ」
「そうする~」
足の踏み場はギリギリあるからつい後回しにしちゃうんだよ
掃除に関して適当な返事をひ~さんに返して
ベッドに座りクッキーを食べながら、昨日までの長い様で短い4日間を思い返す
自分のせいで嫌がらせが起きたと、ずっと苦しさを抱えていた
ひ~さんは強くて優しいから、中学時代も何かされたと思う
俺に悟らせ無いまま解決した事件もいくつか合ったと知ったのは、中3の頃
元ファンクラブの先輩が文化祭で遊びに来て、口を滑らせたからだ
ひ~さんがオレを大事にしてくれるから、話さなかった事件の全貌は
先輩逹も話さなかった
自分1人で大丈夫と思えば話さない事もあるひ~さん
でも全能な訳じゃない
ずっとオレのせいで傷つけて居たと悩むと、会話の流れで言葉にしてくれる
友達、親友、大切
言ってくれなかったのは小学1年の時だけ
それでも態度で伝えてくれたから、今のオレ達が居る
「カズ、クッキー1人で全部食うの?」
「あっ! 分けるの忘れてた! ごめんね♪」
「まぁいいけど、無表情だったぞ。考え事か?」
相変わらずのお人好し
智佳ちゃんと考えてるイタズラ……罪悪感が出てくるな~
「ひ~さんさ、小学1年の時。ボク達親友だよねってオレが言ったの覚えてる?」
「あぁ……覚えてるよ」
クッキーをかじり、ひ~さんは目を泳がせた
いつものひ~さんと違う態度に凄く気になる!
何! 何があった!?
「ひ~さん?」
身を乗り出し、勉強机の椅子に座ってるひ~さんの顔を覗き込むと
観念した様に呟いた
「言って置くがもう時効だからな」
「なになに!?」
興味津々で食いつくオレに、ばつが悪いのと罪悪感が混ざった何とも言えない顔でひ~さんは話した
「あの時、俺はカズと距離置こうか考えてたんだ」
「えっ」
ひ~さんが……
オレから……
は・な・れ・る
「イヤー!」
「落ち着け! 叫ぶな!」
「だってマジでしょ! 真面目に言った!」
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