嫌がらせ

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痛みで悶絶してベッドから転がり落ちる 「じゃれ合っただけだ! 2人とも解散!」 「「は~い」」 残念そうに知恵実さんと智佳ちゃんが出て行く ひ~さんは怒ると従わなきゃ行けない迫力を出す為、逆らえる人は流おじさんだけだ 出る時、知恵実さんが声を掛けてきた 「あんまり騒いで家壊さないでね!」 「分かってるよ」 また2人きりになり、悶絶しながらオレは体を起こす 「加減してよ~」 「しなかったら肋骨折れるぞ」 涙目のオレに本気で怒るひ~さん やり過ぎたか 「ごめんなさい……」 「たくっ! いいか、昔あれは苛めで参ってたんだよ。今はもう思って無いし思わないからな!」 「うん……」 ひ~さんは嘘はつかない、だから黙ってしまう事が多い あの時もだから黙ったんだ…… 「悪かったな、脇腹湿布貼るか?」 「優しいんだから! 悪いのオレでしょ」 「謝っただろ」 優しいひ~さんは、謝れば本当に許してくれる 昨日までの嫌がらせの犯人も、ひ~さんは許すだろう もう許して居るのかも知れない ひ~さんの彼女は学校のアイドルで、オレと人気を分けている 犯人は如月さんに好意を持つ人だった 「ひ~さん、何であの人犯人だって事みんなに口止めしたの?」 「苦しんでただろ、好きな人に好きになってもらえないのは……誰だって辛い……やり方間違えてるから罰は必要だけど、あれ以上は酷だよ」 器の違いに、オレが劣等感を持つ時もある お互い様なんだけどね ひ~さんは如月さんに出会うまで、好意を持った女子に振られ続け その理由は彼女達がオレを好きだったから 好きな人だけに好かれるなら良いけど、怖い目にもあう だから言わなくても、オレの顔に劣等感をひ~さんが持ってる事に気づいてた 足りない物は補い合えば良い、ひ~さんの考え方は格好良い 正反対のオレを受け入れて、考えを実践して行動する それが出来る強さ、受け入れられる喜びを誰にでも教えてくれる人 「ひ~さんは良い男過ぎ~」 「カズは親友バカを直せ、眼科行け」 「ひ~さんは自信持ってよ!」 凄さの自覚が無いひ~さんに呆れるよ
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