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忘れるとどうして恐怖はやってくるのかな?
中学に入学して、入学祝いにもらった図書券を手に本屋に向かった
この時もオレは1人
私服だと女の子に見られる事もまだ多いが、この時も私服で本屋に出掛けた
恐怖や警戒心は人通りの少ない道では持っていたが、他に人が居れば問題無い
ひ~さんなら参考書見るだろうが、オレは雑誌やらマンガコーナー
ちょっとだけのつもりで立ち読みをすると、面白いマンガに夢中になる
これは気になる!
買おうかな?
立ち読みしてるのは何人も居て、両脇に男の人が立ち読みして居た
気にして居なかったが、左側の人がおかしな手の動きをしている事に気づく
携帯でも弄ってるのか?
オレの視野にギリギリ入る距離で動く手が気になるが、雑誌から目が離せない
ずっと動かしてるので長いメールかなと
目だけを動かすと……雑誌を戻して1歩右にズレて、その場を立ち去った
この時何を見たのか、察しの良い人は気づくだろう
ショックのあまりに声は出ない、幼稚園の頃のオレよカムバック!
て言うか店員さ~ん!
監視カメラ~!
何故野放しにしてんだこんな奴!
オレが気づくまでどれ程時間が合ったと思ってる!
またもパニックのオレは読んでた雑誌に未練が有り、変態が居なくなるまで参考書を見ようとコーナー移動
そうだ!
被害にあったんじゃ無い!
遭遇しただけ!
ターゲットはオレじゃ無い!
あの戻してしまった雑誌を買いたいんだ!
時間潰しにぼ~っと興味が無い参考書をパラパラめくると、誰かが近寄って来る
なんだ? 同じ学生?
しかし見えてしまったのはさっきの変態と同じ色のズボン!
そして手の動き!
はい、ターゲットはオレ決定
いやぁ~!
結局……その日は雑誌を買うことは出来なかった……
自分の家に帰らずひ~さん家に直行
「こんにちは! ひ~さん~!」
「なんだよカズ、大声出して」
「うぇ~!」
「なっ! どうした! 泣くなって!」
本屋から出ると恐怖は増して来た
沢山人が居ても来る時は来る!
1人で出掛ける事を少なくしたが、ひ~さんのお陰で立ち直り
あの本屋に行かなくなった……
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