外の世界

4/7
前へ
/45ページ
次へ
中学になると、低めだった身長は伸び出し 女の子に見られる事は少なくなった代わりに、女の子や女性に逆ナンされる事が増え 愛想良くして無難に乗り切る処世術を身に付けて行く 処世術を身に付けてから、ひ~さんに助けられる事も減り 何人かの男子とも上手く話せる様になって行った しかし、この時のオレはまだ自分の女子への影響力を把握して居なくて 名前を知ってる女子は名前でちゃん付け、小学校からのままだった危険性に最初に気づいたのはひ~さんだった 「カズ、名字にさん付けした方が良いぞ」 「え~、何で~?」 「なんか、カズに好かれてると勘違いする子が現れそうでさ。ただモテるだけなら良いんだけど……」 「ん~、大丈夫だって! 今まで大丈夫だったし!」 ひ~さんはオレの魅力にドキッとしたりしない貴重な存在だから ひ~さん自身がオレの魅力が変わったと気づいた訳じゃ無い 幼稚園の時から周りの様子には敏感なひ~さんは、気配りの出来る男 具合の悪いクラスメイトを見た瞬間気づくひ~さんは、周りの女子が過熱してる事に女子逹より早く気づいた オレへの熱狂的過ぎる女子逹の事を…… 「あれ? また無くなった? ひ~さん! オレのボールペン知らない?」 「無いのか?」 「黒い奴! おニューなのに~」 「でもトイレ行く前に筆箱に戻してたよな」 「そうだけど、ほら」 ひ~さんに中を見せると、1つだけ目立つ黒い色のボールペンが無かった 残るはファンシーなボールペンのみ 「乙女チック……」 「引かないでよ! 良いじゃん可愛いのも格好良いのも好きなんだから!」 格好良いボールペンやシャープペンばかりが無くなった事件から2日後 何故か女子の集団に呼び出され、本能的に恐怖を感じたオレはひ~さんに話そうとした 「ねぇひ~さん! きょ……」 「和樹君! ちょっと来て」 トゲトゲしい雰囲気でクラスの女子リーダーが手招き 彼女もオレを呼び出した集団の1人だった 先に行って来いとひ~さんに目で合図され、近寄ると 「氷崎に話さないで、分かった?」 「うっうん……」 迫力に頷いたけど、離れてひ~さんの元に向かう
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加