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オレの後ろの近くに立ち、女子リーダーは聞き耳を立てるのが分かった
話すなと視線の圧力に困って居ると、オレを待たせひ~さんは先生から水性ペンを借りて来た
「そう言えば今日さ、智佳が朝にリンゴの皮を剥いてな。ウサギ作ろうとして失敗してた」
「えっ!」
関係無い話をしながら水性ペンで指に文字を書く【なにがあった?】
左手人差し指に書かれた文字をオレだけに見せ、サッと指を曲げて文字を隠す
さりげなくペンをオレに渡して、世間話を続けた
「智佳はリンゴの皮を繋げて剥くのは得意なんだけど、ウサギ型だと耳が上手く立たせられないんだよ。カズは得意なのに! ってさ」
「智佳ちゃん対抗心丸出しだよね! まだ3年生なのに、オレに勝とうとするしさ!」
調子を合わせ左手人差し指
【きょうほうかご】
中指
【にかいはしあきべや】
と書いて見せ、サッと手を握る
「しょうがないよな智佳の奴、カズまだ時間あるし今の内にトイレ行って来なよ。授業始まってからじゃ遅いぞ」
「そうする!」
走ってトイレに行き、用を済ませたフリをして手を洗う
何とか消えた文字で教えた証拠隠滅!
ひ~さん賢い!
後はいつもと同じ行動でクラスの女子リーダーは騙せた
他の数人もオレ達を探る様に近寄ってたが、バラしたなと言われる事も無く
放課後、2階端の空き教室に向かう
少子化の為に1つだけ空き、物置状態の教室は
クラス委員長なら鍵を貸してもらえるが、用事が無いと無理
誰かが用事を適当にでっち上げて借りたのかな?
疑問に思いながら行くと、一触即発ムードの女子逹が待ち構えて居た
引き戸を開けたものの、この教室入りたくねぇ~
「そこに居ないで入りなよ」
「うん……」
渋々入ると、女子の1人が鍵を掛けた
絶対絶命!?
怖いよ~ひ~さん~!
ぶっちゃけ泣きそうだがグッとこらえると、女子の1人が進み出た
「和樹君、私達の中で誰が1番好きなの!」
「突然何で?」
「突然じゃ無いよ! 和樹君私の事好きでしょ!」
「和樹君が好きなのは私よ!」
「違うわ! 私の事が好きなのよ!」
仲悪い様子だった女子達は口論し出す
何故?
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