変わり続ける世界

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ひ~さん家にあるコメディ映画に変更 オレも家にあるホームアローンシリーズを持って来る 「バイオハザードって何処が面白かったの? 怖いだけじゃん……」 「俺的に突っ込み所満載だったぞ?」 「さすが突っ込み体質のひ~さん! 何処が?」 コメディ映画を見ながら落ち着いてきた智佳とオレの問いに、ひ~さんは答えた 「まず1にゾンビが共食いしないのは何でだ?」 「やっぱ、それだと映画になんないからかじゃない?」 共食いゾンビもホラーだけど、主人公襲わないと困るし 「最初にウイルスばらまいた産業スパイも間抜けで笑えるし、ワクチン持って出ようとして防御システムの薬で記憶喪失だしな」 「そうそう! 記憶無いまま危険な内部に戻って死んだの自業自得だったよね~」 「お兄ちゃん逹はゾンビ怖くないの? カズ君ビビりだって嘘でしょ」 「映画は襲って来ないもん」 現実の人間がどれ程怖いか、ハッピーエンドのコメディで和む中 引きこもる原因になった事件を思い出していた 昼飯をご馳走になって、オレ逹はまたコメディ映画を見出す 「外国映画ってハッピーエンドだから見やすいよな、終わった後心地良い」 「でもホームアローンは痛そうな内容だよ! 智佳ならいくら泥棒でもあんな酷い事出来ない」 「てか現実でやったら泥棒が死ぬって!」 夜になって流おじさんが帰って来る頃、オレも1回家に帰る 家ではお袋がシチューを作って待っていた 「ただいま~」 「お帰りなさい、手を洗ってご飯にしましょう」 「はいはい」 もうそんなに子供じゃ無い! なんて思うのは反抗期だからかな? 嫌いでは無いし、自由にさせてくれてるのに 時々うざいと思う 「はいわ1回」 「は~い」 「もう! すっかり年頃の男の子なんだから! 昔の和樹が恋しくなるわ」 「昔のままが良いの?」 「今の和樹も好きよ、お母さんが寂しいだけ! お袋なんて呼び出すしね」 最初の反抗期は中学の頃、その頃からお母さんと呼ばなくなった 親孝行だってしたいとは思うけど、ひ~さんほど優秀じゃ無いオレは手間が掛かる子供のまま 皿を出すのを手伝い、2人でご飯を食べ始める 昔とは違う、少し距離のある空気の食卓 疲れが見えるお袋に、目を反らすオレがいた
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