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サクッと言うと、沢山の女性を同時に虜にした経験の持ち主
ひ~さんには言って無いけど、エロなDVDを横流ししてくれる人でもある
流おじさんの話に衝撃を受ける女子逹を笑わせ
馬鹿話から恋愛話、女子会に違和感無く混ざって話す
ひ~さん無しで本当に楽しかったのは、オレを意識しない2人のお陰だ
川越さんも、必要以上にオレに迫る事が無い
その事を残念に思う気持ちに気づき、ベンツで家に送られた後で呆然とした
迫られるの大嫌いだった癖に?
見せる変態も居れば、痴漢された事もある
警察沙汰も日常茶飯事で、自分をそんな目で見る人は性別問わず苦手だった
オレだって恋したいから、好みの女子に告白して付き合って
1週間で別れた
川越さんは違うのか?
心の中で自分に問い掛けると
本当は自分でも分かってるだろ?
と答えが返って来た
初めて川越さんを見た、入学式の日
オレを守るひ~さんと同じで、如月さんを守る川越さんの姿
真っ直ぐな迷いの無い目は、自分の未来を他人任せにしない強さを持ってる
すぐに分かった
ひ~さんが女の子だったら……この言葉は本心からの物
ひ~さんに心が良く似た川越さんは、最初から気になる存在だったんだ
告白すれば手に入ると知っていながら、告白しなかったのは
川越さんが特別だったから
付き合って振られたら、立ち直れ無くなりそうだと直感したから
「なんだ……オレ、マジに好きなんじゃん」
家に入り玄関の鍵を閉めて呟く
ひ~さんの彼女の大親友だからと、言い訳して目を反らすほど
曖昧なままを選ぶほど
臆病になるほど、川越さんが好き
ひ~さんが側に居なくても、世界は動き続ける
自覚してしまった想いは、大きく変わって行くだろう
オレもひ~さんも如月さんも川越さんも、篠田だって同じ事
激しく変わって行く自分の世界に翻弄され、毎日を過ごす
変わんないのもあるだろうけど!
恋する気持ちに蓋をして、ひ~さんにメールを打つ
デコを駆使して寂しさを表現して、おちゃらけた内容を送信する
友情の先も恋の先も、想いの激流に呑まれ
変わり続ける心の世界に落ちて見えなくなった
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