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ひ~さんの自転車があるのを、2階にある自分の部屋の窓から確認して
誰も居ない家を出て、ひ~さん家に向かう
「こんにちは~!」
「カズ君いらっしゃい! ポテチ食べる?」
「食べる! ひ~さん2階?」
「そうなのよ、修行僧みたいに規律正しく生活しちゃて。つまんないわ」
こんな事を言ってるけど、知恵実さんがひ~さんを自慢に思ってるのは良く知ってる
ひ~さんの前では態度に出さないけど、オレの前ではそれをたまに話してくれるから
「じゃあ今日は突然部屋に飛び込んでみるよ♪」
「あら楽しそう♪ 驚いたらその様子教えてね」
「は~い」
忍び足で階段を上がり、そっとドアノブに手を置く
3・2・1
「ひ~さん!」
「なんだ?」
「驚いてよ~」
勉強をしてたひ~さんは、参考書から顔を上げて背伸びをする
「行動パターンなんてお見通しだよ、そろそろ来ると思ってたし」
「ひ~さんったら、そんなにオレの事を考えてくれてたのね!」
「今日は学校で奇跡を聞いて来たからな」
学校? 休みだよね?
「学校行ったの?」
「入試結果、カズも合格だってさ」
「マジ!?」
「びっくりだろ?」
「ヨッシャ~!」
正直ダメ元で受けた受験で受かるとは!
「これぞ運命!」
「腐れ縁だ」
「もう、ポテチあげないよ!」
「それは別だろ」
笑いながら右手を出したひ~さんに、ポテチの袋口を向ける
そしていつもの様にダベり出した
「ねぇひ~さん、初めてオレ見た時の印象覚えてる?」
「なんだよ突然」
「アルバム見ててさ~、懐かしいな~と」
なんて言うのかとっても気になる~
ドキドキしてると、ひ~さんは1枚ポテチを食べて口を開いた
「マザコン」
「はぁ?」
「公園でべったりとくっついて、離れなかっただろ? たまに顔を上げて俺を見てたよな」
「あー、だったね。見てるの気づいてたんだ」
あれは確かにマザコンだな、自分でもそう思う
てか気づかれてたんだ
「同い年だからちょっとは気にしてた、遊べたら楽しいかなって」
「の割には話掛けなかったじゃん」
「あんな拒絶オーラ丸出しで話せないだろうが」
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